16歳男子高校生”指導死”訴訟 「顧問の責任」認めず…札幌高裁 控訴棄却 アンケート廃棄責任は認める
北海道ニュースUHB 2020/11/13(金) 11:59配信
2013年3月、北海道札幌市の北海道立高校1年生だった当時16歳の男子生徒が自殺したのは吹奏楽部の顧問の不適切な指導が原因だとして、母親が北海道に約8400万円の損害賠償を求めている裁判。
11月13日の控訴審判決で、札幌高裁の長谷川恭弘裁判長は「指導は違法ではない」と顧問の責任を否定し、控訴を棄却しました。
訴状などによりますと男子生徒はメールのやりとりをめぐり部員同士でトラブルになりました。それがきっかけで、顧問の男性教諭の一方的な叱責を受け、翌日地下鉄のホームから飛び降り、自殺しました。
長谷川裁判長は、男子生徒が自殺する前日の顧問の指導を「不適切なものであったと認められるが、自殺を招くような強い心理的負荷を与える危険な指導方法であったとまでは言えない」としました。
その上で「指導によって男子生徒が自殺することを予見するのは困難で、安全配慮義務違反を認めることはできない」としました。
ただ高校が自殺の原因を調べた全校生徒アンケートを廃棄したことで、原告に精神的苦痛を与えたとして、一審通り北海道に110万円の支払いを命じました。