女性、38年間の奴隷労働 大学教授宅で無給・無休 ブラジル

女性、38年間の奴隷労働 大学教授宅で無給・無休 ブラジル
時事通信 2020/12/22(火) 18:08配信

 【サンパウロ時事】ブラジル南東部ミナスジェライス州パトスデミナスで、38年にわたり大学教授一家の下で奴隷労働を強いられていた黒人女性(46)が当局の手によって救出された。

 ニュースサイトG1などが21日伝えた。

 女性はマダレナ・ゴルジアノさん。貧困家庭に生まれ、8歳で教授の母親に引き取られて以後、教育も受けずに家政婦として働かされてきた。一家のアパートで窓のない3畳ほどの一室を与えられていたが、検察によると、給料や休日はなかった。さらに、教授の親族である高齢の男性(故人)の年金の「受取人」になるため、偽装結婚させられていたという。年金の大半は教授一家が手にしていた。

 マダレナさんがアパートの隣人宅のドアに、衛生用品を買うために「5レアル(約100円)を貸してほしい」と書いたメモを残したため発覚した。11月27日に保護され、シェルターでケアを受けているマダレナさんは、地元テレビに「遊んだことはないし、人形一つ持ったことがない」と吐露。一方、教授側は検察の調べに対し「マダレナを使用人と思ったことは一度もない。彼女も自分が家族の一員だと思っていた」と主張、待遇は本人が望んだとして虐待を否定している。

 当局が慎重に実態解明を進めているが、奴隷使役や横領の罪に問われた場合、教授らは最大で禁錮20年の刑を受ける可能性がある。 

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