中学部活で下級生いじめ、校長ら半年後に把握…「すでに収まった」と聞き取り調査せず

中学部活で下級生いじめ、校長ら半年後に把握…「すでに収まった」と聞き取り調査せず
読売新聞オンライン 2020/12/26(土) 20:01配信

 宮崎市の市立中学校で上級生が下級生の肩をつねるなどの行為があり、下級生の保護者が学校側に対応を求めたのに約半年間、管理職に伝わっていなかったことが市教育委員会への取材でわかった。さらに管理職はこうした行為を把握後、いじめと認めたが、下級生への聞き取りも当初していなかった。市教委は「速やかに組織的に対応すべきだった」としている。

 市教委によると、昨年7〜11月、上級生2人が下級生4人の腕や肩をつねったり、ほうきで小突いたりした。6人はいずれも同じ部活に所属し、下級生の保護者が昨年11月、学級担任の教員に対応を求めた。

 その後、部活顧問の教員が上級生、下級生から話を聞き、部内トラブルと判断。上級生に指導し、上級生が下級生に謝罪してこうした行為は止まった。下級生4人のうち2人は退部した。

 一方、校長ら管理職にはこうした情報は伝わっていなかった。今年6月、当初求めた対応に関する報告がなかったとして、保護者が再び学校に相談。これにより管理職が初めて把握し、顧問の話を聞いて上級生の行為をいじめと認定した。ただ、行為が収まっていたことなどから下級生らへの聞き取りはしなかった。

 8月、下級生の保護者が市教委に相談。学校はその後、下級生らから話を聞き、今月、保護者らに対応の不備を謝罪したという。

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