鹿大教授と業者との贈収賄事件公判 被告2人は起訴内容を認める 鹿児島地裁

鹿大教授と業者との贈収賄事件公判 被告2人は起訴内容を認める 鹿児島地裁
鹿児島ニュースKTS 2020/12/21(月) 19:30配信

動物用医薬品の納入をめぐる鹿児島大学教授と業者との贈収賄事件の初公判が21日に鹿児島地裁で開かれ、検察側は、教授の男が業者側に贈収賄を持ちかけたと指摘しました。

この裁判では鹿児島市草牟田2丁目の鹿児島大学共同獣医学部教授、窪田力被告(55)が収賄の罪に、松窪動薬資材の社長、松窪清一郎被告(51)が贈賄の罪に問われています。

起訴状などによりますと、窪田被告は2020年1月から9月までに動物用医薬品の納入をめぐって便宜を図った見返りに、業者側から現金約64万円などを受け取ったとされています。

21日の初公判で2人は「間違いございません」と起訴内容を認めました。

冒頭陳述で検察側は、「窪田被告が『学生の昼食代を支払って金がない。金が必要だ』などと松窪被告に言ったことがきっかけ」だとし、これ以降、松窪被告の会社への発注額は増加していったと指摘しました。

窪田被告は医薬品などについて業者の選定から発注までをひとりで決める権限を持っていたということです。

2人はほかにも現金約34万円などの受け渡しがあったとして先週、追起訴されていて、次回の公判で審理される予定です。

 業者への発注の見返りに現金を受け取ったなどとして収賄の疑いで逮捕された鹿児島大学の教授の男の身柄が9日、鹿児島地方検察庁に送られた。男は業者を自分で選んで発注できる大学の制度を悪用していたという。
 カーテンで隠され、鹿児島地方検察庁に身柄が送られたのは、7日、収賄の疑いで逮捕された鹿児島大学共同獣医学部の教授、窪田力容疑者(55)。警察によると、窪田容疑者は2020年1月頃から9月頃までの間、動物用の医薬品などを販売する、松窪動薬資材から研究などに使用する薬などを調達。見返りとして20数回にわたりあわせて現金約64万円やパソコンなど7点を受け取った疑いがもたれている。
 鹿児島大学では教員が50万円以上の発注をする場合、担当の事務職員に必要な物を依頼し、事務職員が業者の選定と契約を行う。しかし、「教員発注」という制度があり1件あたりの契約金額が50万円未満であれば教員が自ら業者を選んで契約を結ぶことが出来る。警察によると、窪田容疑者は松窪動薬資材との取引の際、この制度を悪用していたという。
 この事件を巡っては窪田容疑者に現金を渡したなどとして贈賄の疑いで松窪動薬資材を経営する松窪清一郎容疑者(51)と従業員の竹宮紀子容疑者(49)も逮捕されている。2人の身柄も9日鹿児島地方検察庁に送られた。
 窪田容疑者は少なくとも数年前からこの会社と取引を行っていることから、警察は余罪を含めて捜査する方針だ。

 物品購入で便宜を図った見返りなどで業者から現金計約64万円などを受け取ったとして、鹿児島県警は7日、鹿児島大共同獣医学部教授、窪田力容疑者(55)=鹿児島市草牟田=を収賄容疑で逮捕した。動物用医薬品小売会社「松窪動薬資材」社長の松窪清一郎(51)=同市吉野=と、従業員の竹宮紀子(49)=同市下荒田=の両容疑者も贈賄容疑で逮捕した。
 窪田容疑者の逮捕容疑は、2020年1〜9月ごろ、二十数回にわたり、大学付属動物病院の物品調達で便宜を図った見返りなどとして、業者側から現金計約64万円とノートパソコンなど7点(販売価格計約37万円)を受け取ったとしている。県警は3人の認否を明らかにしていない。
 県警によると、窪田容疑者は私的な飲食費などの領収書と引き換えに研究室で現金を受け取っていたという。松窪容疑者の会社は牛の精子や卵子を採取する機器などを扱っており、窪田容疑者が一人で納入業者を決めて決済していたという。
 鹿児島大のホームページなどによると、窪田容疑者は臨床獣医学が専門で、クローン牛の染色体を巡る遺伝子レベルの研究などに携わってきた。【白川徹】

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