「いつも怒られていた」他の部員が証言 高2年生の自殺 沖縄県教委が調査公表
沖縄タイムス 2021/2/17(水) 7:26配信
沖縄県教育委員会の定例会議が16日開かれ、県立高校で運動部主将を務めた2年の男子生徒が1月末、自ら命を絶ったことやその後の経過が報告された。県教委は「(自殺した)当該生徒がいつも怒られていた」などの他の部員への聞き取りの結果を公表し「自殺の背景に部活動がある」「顧問の不適切な言動が要因」と説明した。
県立学校教育課の玉城学課長は、学校が生徒の級友や部活生を対象にしたアンケートや顧問に聞き取り調査をし、「自殺の背景に部活動があるとの認識のもと生徒宅を訪ね、遺族に謝罪した」と報告した。
部活生への聞き取りでは「3年生が引退してから、顧問からの指導が厳しい」「普段の部活の中で当該生徒がいつも怒られていた」などの内容があった。
一方、顧問への聞き取りでは「自殺は部活に8割の原因があり、自殺前日に主将の自覚のなさについて叱責(しっせき)した」などの内容があった。
学級での聞き取りで、友人関係で気になる情報はなかったという。
部活動を所管する保健体育課の太田守克課長は「顧問の不適切な言動が要因になっていることが明らかになっている状態に近い」とし、全県立学校に部活動の適切な指導のあり方を周知し、注意喚起と再発防止に取り組むと報告した。
金城弘昌教育長は「大変悲しく、痛恨の思い。遺族には寄り添ってあげたい」と声を落とした。
沖縄小児科学会副会長を務める小濱守安委員は「言葉の暴力は心に残る傷が深い。言葉を選んでいく教育の仕方をやっていかないと、同じことがまた繰り返される可能性がある」と警鐘を鳴らした。
上原勝晴委員は「二度と起こさない誓いと教育実践を」と求め「教員一人一人が、この問題に取り組んでいかないといけない」と話した。委員から再発防止を求める声が相次ぎ、出席者全員で生徒に黙とうをささげた。