いじめで自殺した生徒の遺族に損害賠償金 学校の対応不十分 岐阜市
岐阜新聞Web 2021/2/26(金) 20:15配信
2019年7月に岐阜市立中学校3年の男子生徒=当時(14)=がいじめを苦に自殺した問題で、市は26日、学校の対応が不十分で、亡くなった男子生徒への安全配慮義務が果たせていなかったと認め、遺族に対し損害賠償金1144万9千円を支払う方針を明らかにした。
市教育委員会によると、生徒の遺族が代理人弁護士を通じて話し合いの場を求め、昨年2月から双方の代理人弁護士が生徒の自殺に対する考え方などについて協議し、市が遺族に賠償金を支払うことで今月22日に合意した。第三者組織の市教委いじめ問題対策委員会が19年12月にまとめた調査報告書で、いじめの激化や自殺の主因を、他の生徒からの訴えに対する教員間の連携が不十分だったことが指摘されたことを踏まえた。市は3月3日に開会する市議会定例会での関連予算案の議決を経て、賠償金を支払う。
早川三根夫教育長は「大きすぎる犠牲を払って得た重い教訓を広く共有し、二度と同じ思いをする人がいないよう、引き続き誠心誠意取り組んでいく決意」とコメントした。
生徒の自殺を巡っては、岐阜家裁が昨年10月、学校のトイレで土下座させた強要の疑いなどで送致された元同級生の少年3人を保護観察処分とした。