男性教師による女子生徒の下着チェックは犯罪の可能性が【「表と裏」の法律知識】

男性教師による女子生徒の下着チェックは犯罪の可能性が【「表と裏」の法律知識】
日刊ゲンダイDIGITAL 2021/4/11(日) 9:06配信

【「表と裏」の法律知識】#79

「女子生徒が廊下に1列に並ばされて、シャツの胸を開けて下着をチェックされる」「男女一緒の体育館で下着の色をチェックされる」「違反した生徒は学校で下着を脱がされる」「男性教師が女子の下着のチェックをする」……。

 これは福岡県弁護士会がこのほど発表した調査結果です。市立中学校の校則調査のため、昨年、生徒や保護者からヒアリングしたら、こんな驚くべきことが明らかになったというのです。

 男性教師が女子生徒の下着を確認しているという配慮のなさだけでなく、そもそも何のための校則なのかなど突っ込みどころ満載のため、この記事に対する驚きの声がニュースのコメント欄やSNSに数多く投稿されました。

 この記事の内容が事実であれば、その男性教師の行為は、場合によっては準強制わいせつ罪(刑法178条)や監護者わいせつ罪(刑法179条1項)、各都道府県の青少年健全育成条例違反(みだらな性交等の禁止)などに該当する可能性もあります。

 また男性教師の下着チェックにより不登校になった女子生徒もいたとのことです。生徒がPTSDやうつ病などの精神疾患を患ってしまった場合には、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)をすることもできます。男性教師が学校の関与なく独断で下着チェックを行っていたとは通常考えにくいので、男性教師だけでなく、下着チェックをさせた、もしくは黙認していた学校(公立中学校なら県や市、私立中学校なら学校法人)に対しても損害賠償請求ができる可能性があります。

 学校側は、校則を盾にして「下着のチェックに違法性はない」などと反論するかもしれません。しかし、下着のチェックは、髪形や服装以上に規制の必要性も相当性もありません。時代錯誤のホコリをかぶった校則に正当性が認められる可能性は低いのではないでしょうか。

 女子生徒に限らず、男子生徒に対する下着チェックなども当然違法になり得ます。生徒に対するわいせつな意図を持った教師の職業動機となり得る校則は、できる限り排除されるべきです。

 このような下着チェックのような時代錯誤の校則が、子供の学校にないか、実行されていないか、チェックする必要があります。

(�盒桐擬�/弁護士)

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