障害児への虐待などが相次ぐ「放課後デイ」の監督強化 神戸市、巡回指導へ

障害児への虐待などが相次ぐ「放課後デイ」の監督強化 神戸市、巡回指導へ
神戸新聞NEXT 2021/4/20(火) 11:30配信

 障害のある小中高生を放課後や休日に預かる「放課後等デイサービス事業所」で、全国的に不祥事が相次いでいることを受け、神戸市は5月から外部人材に市内の施設を巡回させ、指導・監督体制を強化する。

 「放課後等−」は、障害のある小中高生に対し、生活能力の向上に必要な訓練や社会との交流促進などのサービスを提供する施設。市内では、制度創設時の2012年4月に19カ所だったが、20年4月時点で236カ所まで増加した。

 市福祉局は「利用者にとって必要不可欠なサービスとして定着してきた。一方で、全国的に虐待や不正請求による処分が相次ぎ、運営基準が頻繁に改正されたこともあり、制度を理解しない事業者による不適切な請求なども課題となっている」とする。

 兵庫県によると、県内の「放課後等−」では、18年度までに16件の虐待を確認したという。また、報酬の不正請求などによる行政処分も19年度までに指定取り消しが8件、効力停止が3件あった。

 神戸市は、サービスの質の確保・向上について、作業療法士や臨床心理士の資格を持つ大学教員3人に委嘱し、各施設を巡回しながら指導・助言してもらう方針。各施設の運営体制についても、民間から「特別指導監査専門官」を1人登用。実施指導や調査手法の確立を通じて適正な運営を進め、虐待や不正には厳正に対処する。いずれも5月から事業所訪問を始める予定。(長谷部崇)

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