教員の暴言や無視など2割増 セクハラは横ばい 千葉県教委・児童生徒調査
千葉日報オンライン 2021/5/20(木) 20:25配信
千葉県内の公立学校で、教職員から「セクシャルハラスメント以外で不快に感じた発言や対応があった」と答えた児童生徒数が前年度より2割増えたことが、県教委が2020年度に実施した「セクシャルハラスメント等実態調査」で明らかになった。セクハラ行為は前年度より微減したものの、13年度以降は“横ばい”で減少傾向を示していない。県教委は実態を把握した上で「今後も調査により児童生徒の声を拾い上げ、教職員の意識向上に努めることで信頼できる学校環境としたい」としている。
調査は、千葉市立学校と市立高校を除くすべての公立学校児童生徒の約47万8千人を対象に、20年12月〜21年1月に実施。約45万5千人が回答した。
教職員から「セクハラと感じて不快に感じた発言や対応があった」と回答した児童生徒は543人で、前年度より45人減少した。
セクハラと感じた内容は「性的な話・冗談等を言われた」「不必要に身体を触られた」「容姿等の身体的特徴を話題にされた」などだった。
教職員の「セクハラ以外で不快に感じた発言や対応」は、児童生徒の1610人が「あった」と回答。前年度の1331人より2割増加した。
回答の多くは「性格や能力を否定されるような言い方をされた」「教師が大声で怒鳴ったり、乱暴な言葉を発したりした」など、不適切な教員の発言や対応だったという。
中には「教師にあいさつしても自分だけ返してくれない」「風邪で体育を見学する際に教師から『近付かないで』と言われた」など、いじめに類する発言や対応の指摘もあった。
一方、同時に行った「体罰実態調査」では、児童生徒から被害を訴える声は1件もなかった。前年度は高校生から1件のみの報告だった。
教職員から児童生徒へのセクハラ被害の長期的傾向は、初めて調査した04年度と比較すると大幅に減少している。同年度は4371件もの報告があった。
被害件数は13年度まで急激に減少したが、同年度以降は横ばいとなり、500〜300人規模の被害状況が続いている。20年度の543人は、児童生徒100人あたりに換算すると「0・12人」となる。
セクハラ以外の同年度の被害件数1610件は、児童生徒100人あたりの換算で「0・35人」だった。