免職教員への免許再交付「更生した証拠」求める…文科相、わいせつ新法で意向

【独自】免職教員への免許再交付「更生した証拠」求める…文科相、わいせつ新法で意向
読売新聞オンライン 2021/6/29(火) 5:00配信

 先月、国会で成立したわいせつ教員からの被害を防止するための「教員による児童生徒性暴力防止法」で、懲戒免職になった教員への免許再交付の可否について、元教員側に更生度合いを証明する「証拠」を挙げてもらう形で審査することがわかった。萩生田文部科学相が読売新聞のインタビューに答えた。再交付の審査についても、「全国都道府県教育委員会連合会」(東京)にその機能を置く意向だ。

 教員免許法では性暴力で懲戒免職・解雇され、免許を失効しても3年たてば再取得できる。新法では都道府県教委に免許失効者への免許再交付の可否を判断できる「裁量権」を与え、各教委は新たに設ける専門家からなる「教員免許再授与審査会」の意見を聞き、判断することとした。

 その際の基準について、萩生田氏は「更生などを判断するための資料は申請者側が提出する必要がある」と述べ、元教員側に立証責任を求める形で審査を進めることを明らかにした。

 これまで、審査会では、〈1〉加害行為の重大性〈2〉本人の更生度合い〈3〉被害者らの心情――などから総合的に判断するとされてきた。このうち更生度合いについては、元教員側が具体的に示す形を取ることで、わいせつ行為をした教員が再び教壇に立つことを防ぐ高いハードルへとつなげる考えだ。

 また、萩生田氏は「審査会のメンバーが各教委で違う顔ぶれになれば、判断基準も異なってくるおそれがある」と指摘。同連合会に弁護士出身者ら固定されたメンバーを置き、各地の教委で審査が行われる際に加わる方向で検討を進めるという。

 新法は今月4日に公布。一部を除いて1年以内に施行される。文科省は施行に向け、詳細な制度設計に着手している。

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