松山英樹の恩師、8千万円の接待費で刑事告発 松山のスポンサーにも接待を繰り返していた

松山英樹の恩師、8千万円の接待費で刑事告発 松山のスポンサーにも接待を繰り返していた
週刊新潮 2021年7月8日号掲載

 例えば、15年4月16日。この日は東北福祉大の当時の理事長や運営母体である曹洞宗の宗務庁関係者との会合で、1軒目は銀座の高級クラブで11万3520円、2軒目のクラブで20万6870円、さらにもう一軒銀座のクラブにはしごし、19万6870円を支出している。3軒で合計50万円以上。このような会合が長期にわたり、連日のように開かれているのだ。
 資料に記される阿部監督の交際費は、上記の2年分でなんと8千万円以上。そのうち約3600万円は“身内”である僧侶など宗門関係者への接待だった。前出の大学関係者が解説する。

 東北福祉大(仙台市青葉区)の学長室長で、プロゴルファー松山英樹選手らを指導したゴルフ部監督の阿部靖彦氏(59)を、仙台北署が詐欺容疑で3月中旬に書類送検していたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。
 関係者の話を総合すると、阿部氏は飲食の場に参加していない人物の名前を書いた虚偽の支払伺い書を大学側に提出し、飲食代金を不正に引き出した疑いが持たれている。
 河北新報社が入手した内部資料によると、総務部長だった2015年度の交際費は4400万円を超えていた。大半は大学の設置主体の曹洞宗の関係者らと東京・銀座や六本木の高級クラブで飲食していた。高級店を3軒はしごし、支出が50万円を超えた日もあった。
 交際費の支出を巡っては、大学を運営する学校法人栴檀(せんだん)学園(青葉区)の元監事が19年11月、阿部氏の支払伺い書に虚偽があると指摘した上申書を当時の法人理事長と学長に提出したが、大学側は「広報およびブランド力強化の目的で使われた経費と認められ、架空経費や個人的な飲食は見当たらない」と結論付けていた。
 大学の元教員らが19年12月、宮城県警に告発していた。
 大学は河北新報社の取材に「書類送検されたとの情報は把握していない」と回答した。
 阿部氏は東北福祉大を卒業後に職員となり、ゴルフ部監督に就任。今年4月のマスターズ・トーナメントで優勝した松山選手のほか、宮里優作選手や池田勇太選手らを育てた。

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