小6女児自殺、タブレットのパスワードは全員共通…両親「いじめの温床だ」
読売新聞オンライン 2021/9/17(金) 23:53配信
東京都町田市で昨年11月、市立小6年の女子児童(当時12歳)がいじめを受けたと訴える遺書を残して自殺した問題で、市教育委員会は17日、亡くなる2か月前の昨年9月の段階で学校は女児へのいじめの兆候を把握していたと明らかにした。この段階で学校は両親に伝えておらず、市教委は「説明すべきだった」と不手際を認めた。
同日の市議会文教社会常任委員会で小池木綿子・市教委指導室長が答弁した。
答弁や市教委の説明によると、学校は昨年9月のアンケートで女児へのいじめの兆候を把握し、担任が女児から話を聞いた上で関係児童を指導した。その後のアンケートでは女児が心身の苦痛を感じている記述がみられなかったことなどから、学校側は「問題が解消していると捉えた」という。
小池指導室長は「今後、さらに遺族に寄り添うにはどうしたらいいのか、都や文部科学省とも連携しながら考えていきたい」と述べた。
一方、この問題を巡っては、女児の両親らが「学校配布のタブレット端末のチャット機能を使って、女児が『うざい』などと書き込まれたという証言がある」としている。
文科省によると、女児が通っていた学校では当時、端末のIDが出席番号などから類推でき、パスワードは全員共通の「123456789」だった。他人になりすまして悪用することが可能で、両親は「端末がいじめの温床になった」と主張している。
この点について、萩生田文科相は17日の閣議後記者会見で、「不適切と言わざるを得ない」と述べ、全国の教育委員会に適切な運用を改めて周知徹底する考えを示した。