高1いじめ自殺 遺族が元生徒4人と県を提訴 三重

高1いじめ自殺 遺族が元生徒4人と県を提訴 三重
毎日新聞 2021/9/25(土) 8:57配信

 2018年8月に自殺した三重県立高校1年の男子生徒(当時16歳)の遺族が、上級生や同級生からのいじめが自殺の原因だったとして県と元生徒4人に対して、計7367万円の損害賠償を求める訴えを津地裁に起こした。提訴は8月10日付。

 訴状によると、男子生徒は18年5〜8月に、部活動の上級生や同級生から練習中に暴力を振るわれたり、無料通信アプリLINEで「カス」などとののしられたりしたため、精神的に大きな苦痛を受けて自殺したと主張。担任の教諭にも相談していたが、いじめに対して適切な対応を行わず、注意義務違反があり、自殺との因果関係があるとしている。

 提訴を受けて木平芳定県教育長は24日の記者会見で、「将来のある高校生が自ら命を絶ち、今回訴訟が起こされていることを重く受け止めたい。しかし、教諭の対応が注意義務違反に相当するとは言えない」として争う姿勢を示した。

 県教育委員会の第三者委員会は20年3月、男子生徒の自殺と因果関係があるいじめ行為が6件あったとする報告書をまとめた。

 しかし、上級生や同級生4人が聞き取りに応じていなかったため、遺族が不服として再調査を求め、弁護士などでつくる「県いじめ調査委員会」を設置して再調査を行っている。【朝比奈由佳】

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