支援学級での暴言「他の学校でも」 アンケで保護者ら50人見聞き
毎日新聞 2021/10/11(月) 14:59配信
兵庫県姫路市の市立城陽小学校で特別支援学級の児童にが体罰と暴言を繰り返していた問題を受けて市民団体がアンケート調査をし、市内の保護者と教諭の計50人が特別支援学級での暴言を見聞きしたと回答した。アンケート結果を受け取った市教委は外部の専門家も加わる第三者委員会を設け、原因究明や再発防止策の検討を進める。【後藤奈緒】
◇市民団体が約500人調査
アンケートは障害のある子どもの親らでつくる「NPO法人姫路地区手をつなぐ育成会」など3団体が合同で行った。過去5年間で市内の特別支援学級での体罰や暴言を見聞きしたことがあるかを9月27〜29日にウェブで尋ねた。障害のある子の保護者や市立小中学校の教職員ら計509人から回答を得た。
「暴言」は保護者43人と教職員7人、「体罰・虐待・暴力」は保護者39人、教職員3人が見聞きしたことがあると回答した。自由記述では「プールに放り込まれた」「お前、障害があるくせにと言われた」「給食時に無理やり口に食べ物を押し込んだ」との記載があった。また、「校長に申し出たが教師をかばい何もしてもらえなかった」「教育委員会に言ったが、それでも何も変わらなかった」と、学校側の対応についての内容もあった。
育成会の山田直恵理事長(60)はアンケートの回答から、城陽小以外での教諭による児童への体罰や暴言が「あった疑いが強い」と指摘。「子どもが少しでも豊かな環境で学べるように願っている」として7日、原因究明や再発防止を求める要望書を西田耕太郎市教育長に手渡した。
元教諭は特別支援学級の児童6人に「生きる価値なし。死ぬしかない」など計34件の暴言や体罰をしたとして、県教委が9月21日に懲戒免職処分にした。2018年度〜21年度に計7回、元教諭の問題行為は校長や教頭に報告されていたが、口頭注意にとどまっていた。県教委は監督責任として現校長(55)を減給1カ月(10分の1)の処分にした。