茶色の髪を黒く染めさせる高校の指導、高裁「裁量範囲の逸脱ない」…女性側の控訴を棄却
読売新聞オンライン 2021/10/29(金) 10:30配信
大阪府立高校に通っていた女性(22)が在学中、茶色い髪を黒く染めるよう学校から繰り返し指導され、精神的苦痛を受けたとして、府に慰謝料など約226万円を求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。本多久美子裁判長は、髪の染色を禁じた校則や頭髪指導の違法性を認めなかった1審・大阪地裁判決を支持し、女性側の控訴を棄却した。
本多裁判長は判決で、「成熟度などが多様な生徒に対し、いかなる方針で指導するかは教育現場に広範な裁量が認められる」とした上で、同校の校則や女性への指導について「裁量の範囲の逸脱はない」とした。
女性は2015年に入学後、茶色い髪を黒く染めるよう繰り返し指導されて不登校になり、「人格権の侵害だ」として提訴。今年2月の地裁判決は違法性を否定した。一方、女性が不登校になった後の学校側の対応の一部を違法とし、府側に33万円の賠償を命じていた。府側は控訴しなかった。