保育園の“死角”で事件は起きた 4年半後の急展開 神奈川・1歳女児死亡で保育士の女を逮捕

保育園の“死角”で事件は起きた 4年半後の急展開 神奈川・1歳女児死亡で保育士の女を逮捕
FNNプライムオンライン 2021/11/4(木) 11:51配信

1歳女児変死から4年半 事件が急展開

2017年4月27日、神奈川県平塚市の私立認可保育園で、当時1歳だった柳田彩花ちゃんに暴行を加え、死亡させたとして、保育士の嘉悦彩子容疑者(45)が逮捕された。逮捕容疑は傷害致死。逮捕されたのは11月1日。事件発生から、およそ4年半が経過していた。

当時、彩花ちゃんは、保育園1階の一時保護室で、ぐったりとしている状態で見つかった。病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。彩花ちゃんの顔色が急変しているのに気づき、園長に報告していたのは嘉悦容疑者だった。

捜査線上に浮上したのは”第一発見者”の保育士

この日、嘉悦容疑者は、園児たちの寝かしつけを担当。昼寝をしていた園児数人の中に、彩花ちゃんも含まれていた。死因は頭部の打撲、頭蓋骨骨折による外傷性くも膜下出血。何らかの原因で、彩花ちゃんは頭を強く打っていた。事件に巻き込まれた可能性が濃厚だった。

”第一発見者”の嘉悦容疑者は、当然のように捜査線上に浮上していた。しかし関与を否定。神奈川県警捜査一課は、彩花ちゃんの”頭の傷”について徹底的に捜査することになった。複数の医師に鑑定を依頼し、見解を求めた。その結果、「人為的にできた傷」と断定した。

”頭の傷”は人為的なもの 徹底的な裏付け捜査

”頭の傷”の裏付け捜査に、実に、4年半もの月日を要したとのこと。執念の捜査と言える。あわせて園内に設置されている防犯カメラの映像解析も進めた。どのような映像が残されていたのかについて、捜査一課は「捜査に支障がある」として明らかにしていない。

目撃者など直接証拠が乏しい事件だ。その時間帯に、保育園の中で、彩花ちゃんに暴行を加えることができたのは、嘉悦容疑者以外にはいない。捜査一課は、防犯カメラの映像や司法解剖の結果などをもとに、それを裏付ける状況証拠を積み上げていった。

保育園の”死角”で起きた事件 「私はやっていない」と否認

嘉悦容疑者は、発生当初から、「私はやっていません」と容疑を否認している。誰も見ていない、保育園の”死角”で起きた事件。嘉悦容疑者が、いつ、どのように、彩花ちゃんの頭部に、暴行を加えたのかは分かっていない。当然、動機も不明だ。今後の捜査が待たれる。

保育園側の弁護士は、取材に対して、「彩花ちゃんが亡くなってから、園として当時勤務していた保育士全員から聞き取り調査を行っていた。しかし事件や事故にあたるような特別な経緯を確認することはできなかった」とコメントしている。

(フジテレビ社会部・神奈川県警担当 魚住菫)

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