10年間で被害者は50人以上」野球部コーチの性的暴行に生徒たちが耐え続けたワケ
ブラック顧問が跋扈する4つの理由
プレジデントオンライン 2021/11/24 18:00
コロナ禍で禁じられた闇練習に従い、性虐待を我慢する。運動部活生は、ブラックな顧問になぜこんなにも従順なのか。理由は4つあると筆者は考える。
1つ目は、顧問が生徒の「進学先の決定権」をほぼ握っている現実だ。
誰をどこの高校に入れるか、どの大学を受けさせるか。生徒の希望を聞きつつ詰めていくとしても、スポーツ推薦や特待生など、中高の部活顧問がステークホルダーであるケースは依然多い。生徒やその保護者にとって、顧問は間違いなく「利害関係者」となる。
2つ目は、大学の広告塔として、高校の運動部活生の役割がより重くなった時代背景がある。
全国大会出場や都道府県大会上位進出など、優秀な成績を収めた生徒を受け入れる高校や大学は、長く続く少子化による経営難が叫ばれている。生徒を奪い合うサバイバルを生き抜くための戦略として、運動部の活躍は大きなイメージアップをもたらす。過去には箱根駅伝を制した大学の受験者が増えるなど、目に見える効果が期待できる。