今年の重大ニュース 旭川女子中学生凍死 いじめ認めず「いたずらが過ぎただけ」教頭の説明に母親は…

今年の重大ニュース 旭川女子中学生凍死 いじめ認めず「いたずらが過ぎただけ」教頭の説明に母親は…
HBCニュース 2021/12/24(金) 6:31配信

 道内の重大ニュースを振り返る2回目です。
 旭川で「いじめ」を訴えながら凍死した状態で見つかった女子中学生。彼女が残したメッセージを考えます。

 記者リポート
 「廣瀬爽彩さんが失踪してからまもなく1年。雪の下から遺体が見つかった公園は、再び雪に覆われました」

 今年3月、公園で凍死した状態で見つかった廣瀬爽彩さん。爽彩さんが失踪する前に生活していた部屋。大好きだったぬいぐるみやおもちゃが今も残されています。

 爽彩さんの母親
 「本当にやんちゃで、でもすごく明るくて、年下の子に対してすごくやさしいというか。重いものを2人分持って帰って来たとか、雨に濡れないように自分の傘をさしたとか」

 「ここまで育ててくれてありがとう。中学校も頑張ります」

 小学校を卒業するときに母親に送ったメッセージです。しかし、おととし中学入学から間もなくすると爽彩さんに異変が見られるようになります。

 爽彩さんの母親
 「部屋にこもるようになったりだとか、あと泣いたり、誰かにごめんなさいって言ってるような声が、部屋から聞こえるようになったり」

 爽彩さんは、夜の公園などに同じ学校や他校の上級生数人から呼び出されるようになりました。

 母親は、いじめを疑い中学校に相談しますが…

 爽彩さんの母親
 「(担任からは)『いじめではありません。ふざけただけです。仲のいい子なんです』という説明をされました」

 この頃、爽彩さんが描いた絵です。暗く不穏なものになっていました。

 おととし6月。母親の疑いが確信に変わります。
 廣瀬爽彩さんが10人ほどの子どもたちに囲まれる中、川に飛び込み、自殺を図ったのです。爽彩さんは精神的なダメージを受け、その日のうちに入院。
 心配になった母親が、爽彩さんの携帯電話を確認すると、そこには、爽彩さんの性的な画像を強要するやりとりが残されていました。その後、性的な画像や動画がSNS上で拡散されていたことがわかりました。

 爽彩さんの母親
 「携帯を見て、もう気が気じゃなくて、教頭先生が『まず警察に行く前に、僕たちにも見せてください』と。そこで教頭はLINEのやりとりを写真で1枚1枚撮って、学校もこれ調べますっていうことを伝えられました」

 しかし、学校は、いじめの疑いすら認めませんでした。

 爽彩さんの母親
 「(教頭からは)『学校の方としては、いたずらが過ぎただけであって、いじめではない。悪気があったわけではない』 と、ずっと伝えられてました」

 9月、学校と旭川市教育委員会は「いじめと認知するまでには至らない」として調査を終了。
 爽彩さんは、病院を退院するとともに、旭川市内の別の中学へ転校しましたが、PTSD=心的外傷後ストレス障害に苦しみ、学校に通えない状況が続いていました。

 生前の爽彩さん
 「はじめまして。こんにちは」

 去年11月、爽彩さんはインターネット上でライブ配信された動画の中で、過去にいじめを受けていたと告白していました。

 生前の爽彩さん
 「いじめを受けていたんですけど、そのいじめの内容が結構きつくて、自分の方でなかなか納得がいかないっていうか、処理できないっていう気持ちになってしまってて…」

 一方、動画の中では自らが描いた絵を褒められて喜ぶ場面も。

 生前の爽彩さん
 「(これは自分のちゃんとした世界観を持ってる人だよねこれ)ウフフ。ありがとうございます」

 爽彩さんの母親
 「12月の後半というか正月に近い時期に『高校に行きたい』っていうのを食事中に言われて。私はその時すごくうれしくて。なんか良くなったんだな。ほんとに周りの友だちに電話で自慢するくらい…良くなったなって思っていたんですけど…」

 しかし…今年2月13日。爽彩さんは、ネット上の友人にメッセージを残し、連絡を絶ちます。
 自宅から2キロほどの氷点下の公園。雪の下から遺体が見つかったのは、1か月後のことでした。

 爽彩さんの母親
 「爽彩じゃないってずっと思っていました…それは今もずっと続いてます。逆にいつ受け止めることができるのかわからないです」

 遺体発見から1か月後。背景にいじめがあったと文春オンラインが報じたことで、学校や市教委には苦情や問い合わせが殺到。市教委は、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態として、第三者委員会を設置し、ようやく「いじめの疑い」が認められました。

 爽彩さんが当時通っていた学校は、報道を受け、保護者に向けて説明会を開きました。子どもたちや保護者の間には、今も不安や動揺が広がっているといいます。

 保護者
 「とにかく何も答えなかったので、先生のことを「私は信じる」っていうような子も中にはいるようなので、そういう子どもたちの気持ちにも応えるためにも、答えてほしいなっていうのは思いました」

 「いじめではない」とした学校と市教委。第三者委員会は、どう判断するのか?爽彩さんの母親は、真相の解明を待ち続けています。

 母親
 「なんでもっと早くできなかったんだろう。どうして入院している、爽彩が一番苦しんでいる時期にそういう判断をしてくれなかったんだろう」

12月23日(木)「今日ドキッ!」午後6時台

カテゴリ 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする