GoToで野球部を私物化 甲子園出場元監督の転落劇

GoToで野球部を私物化 甲子園出場元監督の転落劇
産経新聞 2022/2/11(金) 19:30配信

「野球王国」大阪の強豪高校が不祥事にまみれた。エリートではない部員たちが奮起して甲子園出場を果たし、人気漫画になぞらえて「リアルルーキーズ」と呼ばれた大阪偕星学園高校(大阪市生野区)。今年1月、その立役者とされる元監督が詐欺容疑で逮捕された。昨年1月までチームを率いた山本セキ容疑者(54)は野球部の強化合宿を悪用し、観光支援事業「Go To トラベル」の給付金を不正受給したとされる。なぜ、そんなことがまかり通ったのか。

■詐欺加担のストレスで

始まりは別の不祥事だった。同校野球部では多数の部員がコーチによるわいせつ被害を訴え、大阪府警は昨年8月、。水落容疑者は学校側の聞き取りにわいせつ行為を認めた上で、こう打ち明けたという。「監督のパワハラや詐欺の片棒を担がされたストレスから、部員に性犯罪をしてしまった」

片棒を担いだ犯罪とは、府警などによると、監督だった山本容疑者は、中学・高校の同級生だった岡山県津山市の旅館「文乃家」経営、吉間俊典容疑者(54)と共謀。令和2年8月の強化合宿で部員ら延べ113人が文乃家に宿泊した際の料金について、1人あたり1泊8千円から2万円に水増ししてGoToトラベルの給付金を申請し、山本容疑者名義の口座に給付金約80万円を振り込ませた疑いがある。

■コロナ禍でも合宿

捜査関係者によると、山本容疑者は対戦相手も決めずに強化合宿を提案し、給付金の申請や旅館の予約といった手続きを水落容疑者に一任。その際、「予約取れたんか。申請しないと宿泊費を負担させる」と高圧的な態度で迫っていたという。水落容疑者は「監督の命令で国に虚偽申請を行った」と容疑を認めているが、詐欺の実態は知らされておらず、報酬も受け取っていなかった。

山本容疑者らには、給付金の不正受給だけにとどまらず、合宿の参加人数を水増しし自治体の補助金を過大に受け取っていた疑いも持たれている。宿泊代は保護者から4千〜5千円、部員から2千〜3千円を集め、不足分は部費や補助金を充当したとされる。

強化合宿は、コロナの感染者が全国的に急増していた2年12月にも行われていた。府警の捜査幹部は「野球部を私物化していた。教育者の風上にも置けない行為だ」と憤る。大阪地検は今月1日、詐欺罪で山本、吉間両容疑者を起訴、水落容疑者は起訴猶予とした。

■初の甲子園出場も…

山本被告は平成23年に同校野球部の監督に就任。前年まで監督を務めた別の高校では、されたこともあったが、就任後は「他の学校より練習をして自信を持たせる。部員は自分の子供」と周囲に熱弁を振るった。

当初、中学時代に補欠だったり、受験で挫折したりしたメンバーで構成されていた同校野球部。早稲田実業の清宮幸太郎(現・日本ハムファイターズ)フィーバーに沸いた27年夏の甲子園に、強豪がひしめく大阪大会を突破して創部以来初めて聖地出場を果たしている。

野球エリートではない部員たちを、山本被告が寮で寝食を共にしながら熱血指導で鼓舞した−。そんなストーリーが、一度野球を諦めた球児らが熱血教師と甲子園を目指す人気野球漫画「ルーキーズ」になぞらえ「リアルルーキーズ」と呼ばれた。

その結果、皮肉にも山本被告の専横がまかり通ることに。合宿の開催の可否や宿泊先も独断で決められていたといい、梶本秀二校長は「甲子園出場を機に野球部のブラックボックス化が進み、独善的な運営を許してしまった」と振り返る。

部員も同校の調査に「文句を言うことが許されないクラブ」と話した。水落容疑者の部員らに対するわいせつ行為に関しても、「相談すれば試合やレギュラーから外される」と恐怖心を抱いていたため、発覚が遅れたとされる。

「野球部の体質改善はもとより、大阪偕星で良かったと思えるような学校にしたい」と梶本校長。再発防止に向け、スクールカウンセラーの導入や生徒への匿名アンケートなどを行うとしている。(小松大騎、小川恵理子)

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「監督のパワハラや詐欺の片棒を担がされたストレスから、部員に性犯罪をしてしまった」って、水落雄基が生徒に手出してたのは10年前からじゃん。コロナもGOTOも関係ないだろ。

野球部員にわいせつ画像の撮影・送信指示か 性的暴行容疑の元コーチ
毎日新聞 2021/9/14(火) 17:03配信

 私立高校の野球部元コーチが部員に性的暴行をしたとして逮捕された事件で、元コーチで同校講師だった水落雄基容疑者(31)が「過去の教え子にわいせつ画像も送らせたが、自分で消去した」と供述していることが、大阪府警への取材で判明した。高校の内部調査が始まる直前に携帯電話などに保存していた全ての画像を削除しており、府警は事件発覚を恐れて証拠隠滅を図ったとみている。
 府警刑事特別捜査隊によると、水落容疑者はわいせつ行為への関与にとどまらず、教え子らに自身のわいせつな画像の撮影・送信を指示していた疑いもある。しかし、携帯電話などには関連の画像が残されていなかった。
 今回の私立高では2021年、野球部員の保護者が学校に相談して被害が発覚し、学校は内部調査に乗り出した。水落容疑者は府警に「(自身の関与が)ばれると思って調査前に画像を消した」と説明しているという。
 水落容疑者は約10年前から、勤務していた学校の教え子らへのわいせつ行為などを繰り返していたとされる。画像を送らせた生徒らも含めると被害者は50人以上になる可能性があり、府警は全容解明を進めている。
 府警は14日午前、水落容疑者を部員に対する強制性交等致傷容疑で送検した。【安元久美子、郡悠介】

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