「君にはもう辞めて貰う」建築資格予備校「総合資格」創業者のパワハラ動画入手

「君にはもう辞めて貰う」建築資格予備校「総合資格」創業者のパワハラ動画入手
文春オンライン 2022/3/2(水) 16:12配信

 建築士・宅建などの資格予備校「総合資格学院」を運営する「総合資格」の岸隆司社長(71)が、社内でパワハラを繰り返している疑いがあることが「 週刊文春 」の取材でわかった。「週刊文春」が入手した動画に複数のパワハラ場面が映っていた。

 総合資格学院は、一級建築士試験の合格者占有率日本一を誇る大手資格予備校。従業員数は約750人(昨年6月時点)で、売上高は約200億円にのぼる。全国に約90校を展開し、『アメトーーク』(テレビ朝日系)でCMも放送している。

 総合資格を1980年に創業したのが岸社長だ。1999年以降、7年連続で高額納税者に名前を連ねたほどの成功を収めた人物である。

 だが昨年10月、岸氏は「100人をリストラします」と突然宣言。既に90人近くの職員が退職に追い込まれた。総合資格の職員が語る。

「元々社長はパワハラ気質でしたが、この頃からそれがエスカレートしていきました」

 強権を実際に発動したのが昨年12月4日のリモート会議だ。入手した映像には、岸氏を囲むように男性職員7人が映っている。そこで岸氏はある職員をやり玉に上げ、「バカたれが!」と叱責した。どうやら、職員が準備した大学教授の講義が、自分の意に沿わない内容だったようだ。そして次々とこう言い放った。

「君にはもう辞めて貰うよ」

「もうボケが始まってる。部下みんなが言ってる」

「引継ぎをやって貰って、後は有休を使って、辞めてくださいってこと」

 解雇を言い渡された職員は、ただ頷くだけ。実際にこの直後、彼は会社都合で退職をしている。

 また3年前の別の動画では、岸社長は、会議で話をしている途中に、おもむろに右手を振り上げ、近くに座っていた男性の頭を叩いている。

民法709条の不法行為にあたる可能性

 OMM法律事務所の大塚和成弁護士が指摘する。

「人前で解雇を言い渡すのは、見せしめとも取れる。『バカタレ』と人格を傷つける言葉も使っており、民法709条の不法行為にあたる可能性があります」

 総合資格に「会議中に解雇通告をしたことは、不当解雇に当たるのではないか」と聞くと、概ね次のように回答した。

「(会議中にクビを通告したことについては)会議の前日に『会社都合による退職』を通告することが決定しておりました。不当解雇とのご指摘については、詳細な理由を申し上げることは控えますが、不当解雇には当たらず、ご本人と十分に話し合いを行った上で、会社都合による退職をご理解頂いたと認識しています。(職員の頭を叩いたことは)事実です。行為自体は不適切であったと考えておりますが、不法行為とまでは言えないと認識しています」

 だが岸氏のパワハラはこれだけではなく、またセクハラ行為もしていたのだ。「週刊文春」はこうした岸氏のパワハラ、セクハラ疑惑の証拠となる4本の動画を入手。「 週刊文春 電子版 」で公開する。

 このほか、カラオケに行った時のセクハラ、「俺が信じられないなら辞めろ!」と職員を退職させた事件、岸社長を直撃した際の返答など、詳しくは3月2日(水)12時から配信中の「 週刊文春 電子版 」、および3月3日(木)発売の「週刊文春」で報じている。

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