大阪・四條畷の給食汚職 元所長に退職金2100万円の返還命令
産経新聞 2022/3/8(火) 16:01配信
大阪府四條畷市の学校給食会計をめぐる汚職事件で有罪判決が確定したとして、同市教育委員会は8日、市立学校給食センターの元所長(65)に対し、退職時に支給した退職手当全額約2100万円の返納を命じたと発表した。
市教委によると、元所長は平成27年度から令和元年度までの間、市立小中学生の保護者から預かった給食費約1450万円を業者を装った自らの口座に入金して横領したほか、学校給食運搬業務をめぐって賄賂を受け取ったとして業務上横領や加重収賄などの罪で大阪地裁に起訴され、先月、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。
また、元所長は公訴時効より前の平成22年から26年の間にも同じ手口で給食費約500万円を横領していたことが分かり、起訴された横領額と合わせた全額約1955万円を昨年12月、学校給食会に返金した。
市教委は、外部の目が届かない私会計で運用されていた学校給食費を今年4月から市の会計で扱うことにしており、「再発防止に努めたい」としている。
業務上横領罪などで起訴されたのは、林雅弘被告(65)。昭和54年に給食調理員として採用され、学校給食に41年間たずさわった「たたき上げ」。平成26年から再任用期間を含めた6年間、学校給食センター所長を務め昨年3月に退任した。
後任の所長らが、センターが事務を担う「学校給食会」の会計に不審な点があるのに気づき、今年1月、大阪府警に告発。林被告、給食会計の口座から、令和元年7月から11月までの間、3回にわたって計約330万円を横領した容疑で今年5月に逮捕され、余罪を合わせ7月に起訴された。
起訴状などによると、食材の納品業者を装った自分の口座に学校給食会から振り込み手続きを行う手口で、平成27年1月以降、10回で計約1450万円を横領したとされる。
また、平成31年3月に行われた給食配送業務の入札をめぐり、業者から紳士靴やスーツなど計約22万円相当を受け取った加重収賄罪などでも起訴された。
市関係者の一人は「いま思えば派手な腕時計など公務員らしくない部分はあった。所長になった初年度から給食費に手をつけていたとは」と話す。