早大名誉教授に強制ワイセツされた…元女性職員が“公益通報”、当事者は「記憶にないな」
日刊ゲンダイDIGITAL 2022/01/21 14:30
早稲田大学に衝撃が走っている。「名誉教授から強制ワイセツの被害を受けた」と被害女性から“公益通報”があったからだ。訴えられた名誉教授は、学内でも影響力を持つ権威とあって、大学サイドも、どう対応すべきか頭を抱えているという。
訴えられたのは、早大理工学部のA名誉教授。電気化学を専門としている世界的な研究者だ。日本の大企業との共同研究も多い。訴えたのは、派遣会社を通じてA名誉教授の研究室で働きはじめた30代の女性。
公益通報によると、強制ワイセツがあったとされるのは、2016年5月。場所は、A名誉教授が事務所として借りている東京・新宿のタワーマンションの一室。
業務時間の終了後、女性はA名誉教授と新宿区の飲食店で会食した後、A名誉教授から、事務所にある書類を持って行ってほしいと頼まれ、タワーマンションまで一緒に行ったという。
部屋に入ってしばらくすると、A名誉教授は背後から抱きつき、女性の腕を後ろにねじり上げて拘束したうえで、上着をまくり上げて、直接胸を触り、さらに乳首に口をつけてきたという。女性は何度もやめるように訴えたが、なかなかやめようとしなかったという。
A名誉教授は、身長180センチ近い大柄のうえ、柔道の有段者だという。
その後、女性はストレスによる体調不良により遅刻、欠勤が増え、しばらくして研究室を退職している。女性は公益通報で、A名誉教授の行為は、刑法176条にあたると訴えている。
実際に強制ワイセツにあたる行為はあったのか。訴えられたA名誉教授は、日刊ゲンダイの問い合わせに電話でこう答えた。
「そんなことないよ、そんなことあったっけ。本当? 全然、記憶にないな。随分、前のことだよね。不思議な話だけど。ちょっと言いがかりだよね」
日大事件もあって、大学のコンプライアンスのあり方が問題になっている。はたして早大は、どう対応するのか。
日刊ゲンダイの問い合わせに早大広報部は、こう回答した。
「本学は、公益通報があった場合は、通報者を含めた関係者の人権の擁護と個人情報の保護に配慮しながら、定められた手続きにしたがって調査等の対応を行っております。個々の案件については、通報が不法行為にあたる場合も、それが明確に立証されるまでは、その有無も含めて回答は差し控えさせていただいております」
何があったのか、大学はきちんと調べるべきだ。