暴行事件もみ消しでうつに… 教員と大和町・宮城県が和解

暴行事件もみ消しでうつに… 教員と大和町・宮城県が和解
tbc東北放送 2022/3/28(月) 16:27配信

 宮城県大和町内の中学校で同僚の教員から暴行を受けた事件を学校側がもみ消そうとしたことでうつ病を発症したなどとして、男性教員と妻が、町と宮城県に慰謝料など1億円余りを求めた裁判で、28日に和解が成立しました。
 この裁判は、宮城県大和町内の中学校に勤務する40代の男性教員が、2011年9月、職員室で同僚の男性教員から暴行を受けて首にけがをしたのに、当時の校長らが、告訴や公務災害を申請しないよう執拗に求めるなど、もみ消しを図ったことで、うつ病を発症したとして、町と県に1億600万円余りの賠償を求めたものです。同僚は、暴行罪で罰金刑を受け、男性教員は、公務災害と認定されています。28日に仙台地裁で開かれた裁判で、町と県は、うつ病の原因が学校側にあることを認めて、裁判所の和解案を受け入れ解決金2860万円を町が支払うことで和解が成立しました。男性教員は、現在もうつ病で通院しており、休職を余儀なくされています。

 勤務先の中学校の元校長らが同僚教員からの暴行事件をもみ消そうとしたことにより、うつ病を発症したとして、宮城県大和町の中学校に在籍する40代男性教員と妻が29日、町と県に慰謝料など計1億626万円を求める国家賠償請求訴訟を仙台地裁に起こした。
 訴状によると、男性教員は2011年9月、職員室で同僚の男性教員から暴行を受け、首にけがを負った。同僚教員は暴行罪で罰金刑を受けた。当時の校長は暴行事件の発生から2週間、対応を放置した。校長らは再三、男性に異動願の提出や公務災害申請の断念などを要求。男性は同11月、うつ病と診断され、16年9月に公務災害と認定された。
 男性は11年11月から、休職を繰り返しているといい「ひどい嫌がらせにより精神状態を悪化させた。(学校側の)安全配慮義務に違反する」と主張している。
 提訴後に男性は仙台市内で記者会見し「同じように悩んでいる教員がいるはずだ。ハラスメントは組織の問題であり、子どもにも影響を及ぼしかねない」と訴えた。
 河北新報社の取材に、町教委教育総務課は「訴状が届いておらず、コメントできない」、県教委教職員課は「訴状を確認した上で、対応を協議したい」とそれぞれ話した。

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