46歳「小学校教諭」が10年前の教え子への性的暴行で逮捕 5年前のわいせつ事案で“大甘処分”を下していた都教委の“責任転嫁”

46歳「小学校教諭」が10年前の教え子への性的暴行で逮捕 5年前のわいせつ事案で“大甘処分”を下していた都教委の“責任転嫁”
デイリー新潮 2022/4/5(火) 10:53配信

 おぞましいの一言に尽きる。警視庁は4月2日、10年前に10代女性の教え子に性的暴行を加えていたとして、東京都江東区の小学校教諭・河嶌健容疑者(46)を強姦容疑で逮捕した。逮捕のきっかけは、昨年11月、保護者から学校に寄せられた「娘が学校で先生からわいせつ行為を受けている」との被害相談であった。男は5年前にも板橋区内の小学校でも女子児童の体を触るなどのわいせつ事案を起こし、停職3カ月の処分を受けていた。

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熱狂的な浦和レッズファン

「ここらでは浦和レッズの熱狂的ファンで知られています。試合のたびに、仲間と一緒に大きな旗を振って帰ってくる。お子さんも3人いますよ。下の2人は娘さんで、高校生と中学生です」

 埼玉県さいたま市緑区の住宅街。河嶌健容疑者が住んでいた一軒家の近隣住民はニュースを知り、ため息を漏らしてこう語った。17年前、河嶌容疑者は浦和レッズの試合に通えるように、当時本拠地のあった浦和駒場スタジアムから徒歩圏内にあるこの地に引っ越してきたという。

「挨拶も交そうとしない。粗野な振る舞いから、以前から教員らしからぬ危うさを感じていました」(同)

 河嶌容疑者に対する捜査が始まったのは、昨年11月のことである。

「保護者から『娘が学校で先生に体を触られている』との訴えが学校にあり、校長が警視庁に相談したことがきっかけです。警視庁は当初、強制わいせつ容疑などでの立件を目指していましたが、本人が否認し、かつ証拠に乏しかったことから難航した」(警視庁担当記者)

2人の秘密だからね

 そこで、家宅捜索した際に押収したスマホに盗撮動画を所持していたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(所持)容疑で、2月13日に最初の逮捕に踏み切った。3月7日には、同法の製造容疑でも再逮捕された。

「スマホには生徒たちの着替えの動画や静止画が十数点保存されていた。最初の逮捕容疑は18年頃に撮影されたもので、被害女児は当時担任していたクラスの小学3年生。2回目の容疑は19年9月に撮影された動画で、被害女児は小学1年生だった」(前出・記者)

 だが、自宅のパソコンには、もっとおぞましい動画が残されていた。

「それが今回の逮捕容疑の証拠となった映像です。被害者は元教え子だった女性で、卒業後に呼び出され、河嶌容疑者から『2人の秘密だからね』と口止めされていた。警視庁は特定されてしまう恐れがあるため年齢などを明らかにしていませんが、いまは成人していると思われます。警視庁としては、立件できていない被害者のためにも、もっと重い罪に問いたいという思いで捜査を継続し、被害者を特定した上で協力を仰いだのでしょう。河嶌容疑者は今回の容疑でも、否認を続けています」(同)

停職明けに別の区で復職
 実はこの男を、もっと早く教壇から引きずり下ろすチャンスはあった。2017年に勤務していた板橋区内の小学校でも教え子へのわいせつ事案が問題化し、区や都の教育委員会の調査が入っていたのである。TBSの報道によれば、当時、校内では、ハグするように後ろから教え子に抱きつく河嶌容疑者の姿がたびたび目撃されていたという。

 だが、その時、都教委が下した判断は「停職3カ月」だった。学校関係者が解説する。

「わいせつ事案において停職処分は、すなわち“セーフ”です。触った、抱きついたなどの被害の訴えで、教師側が『そんなつもりではなかった』と否認した場合、判定が難しくなる。結果、グレーな判断として、懲戒免職にならずに逃げきれてしまうケースが多々あるのです。あの時、警察を介入させておけば、もっと早く被害が把握でき、さらなる被害を防げた可能性がある」

 江東区教育委員会によれば、板橋区の件での停職が開けた翌年の2018年から江東区内の小学校で勤務を再開したという。

「都教委の人事に対しては、私たちは受け入れるだけの立場です。もちろん停職処分の内容は把握しておりましたので、本人に対して二度とこのようなことがないよう確認してから配属させています。一連の逮捕事案については重く受け止めており、都に対しては厳正な対処を求めていくつもりです」(江東区教育委員会指導室長)

わいせつ教員対策法が施行

 5年前の判断に問題はなかったのだろうか。都教委の人事部職員課に話を聞いたが、「個人情報に関わるので、懲戒免職以外の処分内容については公表していない」「捜査段階にあるのでコメントできない」などと繰り返すばかり。一般論としては、次のように回答した。

「わいせつ事案の事実認定は、服務監督権を持っている地区の教育委員会が行うものです。都教委は、それに基づいた上で処分を下している。発出済みの処分が適切だったかどうかの判断はこちらではしかねます」

 板橋区教委に責任転嫁しているかのようにも聞こえる言い方である。

 4月から施行された「わいせつ教員対策法(教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律)」には、《犯罪の疑いがあると思われるときは、速やかに、所轄警察署に通報する》との文言も盛り込まれた。だが、法ができたからと言って、今後このような事案が防げるわけではない。勇気を出して被害を訴える子供たちの側に立ち、教育現場に潜み続ける卑劣なわいせつ教員たちを排除していく強い姿勢が教育行政に求められている。

デイリー新潮編集部

 10年前に10代女性に性的暴行を加えたとして、警視庁は2日、東京都江東区の小学校教諭、河嶌健容疑者(46)=さいたま市緑区原山2丁目=を強姦(ごうかん)容疑で再逮捕し、発表した。強姦罪の公訴時効の10年が約1カ月後に迫る中、押収した河嶌容疑者のパソコンに保存されていた動画や写真から関与を裏付けたという。
 捜査1課によると、河嶌容疑者は2012年5月上旬、埼玉県内で当時10代の女性に性的暴行を加えた疑いが持たれている。女性とは面識があり、「2人の秘密だからね」などと口止めをしたという。調べに対し、容疑を否認しているという。
 河嶌容疑者は、これまでに勤務していた小学校で担任していた複数の女児の着替える様子を盗撮したなどとして、今年に入って2回、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されている。

警視庁によりますと、河嶌容疑者のスマホからは特定の児童2人を狙って盗撮したとみられる動画4点が見つかったということです。河嶌容疑者はスマホを手に持って盗撮したとみられますが、取り調べに対し「何も話すことはありません」と供述しているということです。

では、河嶌容疑者の異動を受け入れた、江東区の教育委員会はどう対処していたのだろうか。担当者は「以前、別の区の小学校で河嶌容疑者がわいせつ事案を行った、という情報は、江東区に異動してくる際に東京都から共有されていたが、江東区には異動を拒否する権限はなく、都が決めた人事異動を受け入れるしかなかった」と厳しい立場を明らかにした上で、「区や学校ごとに注視していくしかない状況で、毎月、東京都と学校がそれぞれ主催する、服務事故防止の研修を受けてもらっていたが、河嶌容疑者は問題なく参加していた。昨年の12月が服務事故防止月間で、偶然にも、その時のテーマがわいせつに関わる内容だった」と話した。

東京・江東区の公立小学校教諭・河嶌健容疑者(46)。勤務先の女子児童が着替える様子を盗撮したとみられる動画や画像をスマートフォンに保存し、所持していた疑いがもたれています。
発端は河嶌容疑者から「体を触られた」という別の女子児童からの被害相談。小学校からの相談をうけ、先月17日、警視庁が自宅を捜索したところ、複数の女子児童を盗撮したとみられる動画や画像が18点見つかったということです。

勤務先の小学校で女児が着替える様子を盗撮した画像や動画を所持したとして、警視庁捜査1課は12日、児童買春・ポルノ禁止法違反(所持)の疑いで、東京都江東区の公立小学校教諭、河嶌健容疑者(46)=さいたま市緑区=を逮捕した。「弁護士が来てから話す」と供述している。
逮捕容疑は今年1月17日、自宅で、女児1人が体育の授業で着替える様子を盗撮した画像と動画計5点を所持したとしている。これらは平成30年頃に撮影されたもので、写っていたのは当時河嶌容疑者が担任を務めていた3年生の女児だった。
捜査1課によると昨年11月、河嶌容疑者が勤務する小学校の校長から「体を触られた児童がいる」と警視庁に相談があった。同課が今年1月に河嶌容疑者の自宅を捜索したところ、女児の画像や動画が保存されたスマートフォンが見つかったという。
スマートフォンからは他にも、河嶌容疑者が自ら盗撮したとみられる女児の画像などが13点見つかっており、同課は経緯を調べている。

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