女子生徒13人を手篭めにし妊娠させた教師に死刑判決

女子生徒13人を手篭めにし妊娠させた教師に死刑判決
ニューズウィーク日本版 2022/4/6(水) 17:40配信

自分の子供から離れたくないと主張した被告

<被害者のある親族は「我々は当初、終身刑と化学的去勢による処罰を望み、彼が自分の犯罪による痛みを味わわせられるようにしたかったが、死刑は正義だと思う」>

スマホ撮影される電車内での蛮行

インドネシアで3月5日、西ジャワ州の州都バンドンにあるイスラム寄宿学校の生徒13人をレイプし、少なくとも8人を妊娠させたとして有罪判決を受けた元教師に死刑が宣告された。

昨年発覚した、インドネシア人の元教師ヘリー・ウィラワン(36歳)による少女13人へのレイプ事件。昨年5月に被害者の1人の両親が自分の娘が妊娠していることに気付き、2016年以来続いていた数々の蛮行が明らかになった。

被害者はまだ子どもの11〜16歳の少女で多くは貧しい家庭の出身で奨学金をもらい通学している女子生徒だったという。ウィラワンによる強姦で8人が妊娠し、子供が9人生まれている。宗教教師ともあろうウィラワンのおぞましい所業にインドネシア中が揺れた。

凶悪性ゆえに検察側の求刑は、被告の化学的去勢と死刑。被告は、子育てのために子供から離れたくないと言っていた。結局、今年2月にバンドン地方裁判所が下した判決は、終身刑だった。これを不服とした検察側は死刑と化学的去勢を要求し上訴していた。

最後の死刑執行は2016年

月曜日に西ジャワ州バンドンの高等裁判所のウェブサイトに掲載された裁判官の声明には、「我々は検察側の控訴を受理する」と書かれていた。

“我々はここに被告を死刑に処する“

この時、ウィラワン被告は上訴のために法廷にいなかったという。

被害者の親族はAFPに対し、月曜日の判決は被害者に正義をもたらしたと語った。

被害者の1人の叔父というヒドマト・ディジャヤ氏は、「私たちは当初、彼が罪を犯したことによる痛みを感じてほしいという思いから、終身刑と化学的去勢を望んでいました」「しかし、私たちは死刑判決が正義を表しているとまだ感じています」

ただ、インドネシアは数年間死刑執行が行われていない。最後の既知の死刑執行が2016年に行われて以来は延期されている状態で、ウィラワンへの実際の処遇が気になるところだ。

このレイプ事件は国民的な怒りを呼び起こし、性犯罪に対抗し、夫婦間レイプを含めて被害者に正義を提供することを目指す、「性暴力の排除」に関する法案を承認するよう国会に対する圧力を強めた。

バンドンでのレイプ事件は、インドネシアの教育制度における性的虐待の問題にもスポットライトを当てている。昨年、児童保護委員会に報告された18件のうち14件は、イスラム系の寄宿学校で起きている。同国には2万5,000以上のイスラム寄宿学校があり、500万人近い生徒が寮で暮らしながら勉強している。

 判決によると、ヘリー・ウィラワン(Herry Wirawan)被告(36)は、5年間にわたって、未成年の生徒13人をレイプし、少なくとも8人を妊娠させた。一連の被害は、被害者1人の家族が昨年、被告が娘をレイプし妊娠させたと警察に訴えたことから明るみに出た。

 インドネシアで最も人口が集中するジャワ島にある西ジャワ州の州都バンドン。ここでイスラム寄宿舎(プサントレンと呼ばれるイスラム教徒専用の寄宿制教育機関)を経営し、教師をしていたヘリー・ウィラワン容疑者(36)が逮捕された。立場を利用し、寄宿生活を送る14歳から20歳の女子生徒13人を性的に乱暴した容疑である。被害を受けた女子生徒のうち9人が妊娠し、宗教的に中絶が許されないことなどから出産を余儀なくされた。しかも女子生徒の1人は、2度出産したという。
 ヘリー容疑者には、犯行を隠す目的か、女子生徒が出産した赤ん坊を人身売買組織に売り渡していた疑惑も持ち上がっている。

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