日大が田中前理事長に出入り禁止通告 有罪確定後3日連続訪れる

日大が田中前理事長に出入り禁止通告 有罪確定後3日連続訪れる
毎日新聞 2022/4/18(月) 19:27配信

 脱税事件で有罪が確定した田中英寿・日本大学前理事長(75)が、確定日の13日から3日連続で大学関連施設に立ち入ったとして、日大から「出入り禁止」を通告された。日大は前理事長の影響力を排除する「決別宣言」をしており、同大広報課は18日、毎日新聞の取材に「(立ち入りは)あってはならないことで遺憾。復権はさせない」と説明した。

 日大によると、田中前理事長は13〜15日に東京都千代田区にある同窓会組織「校友会」の本部事務局を訪れた。前理事長は2005年から同会会長を務め、21年11月末に東京地検特捜部に逮捕され、解任された経緯がある。今回、前理事長は業務引き継ぎ目的で会長代理らと面会したという。

 立ち入りを確認した日大は14日付で、関連施設を含む日大構内への立ち入り禁止を伝える内容証明を田中前理事長に郵送。加えて翌15日付で、立ち入った場合は警察に通報する可能性があるとした内容証明を速達で送ったという。広報課は「業務引き継ぎは大学から要請したものではなく、必要性はない」としている。

 日大では、最大で36人で構成する理事会メンバーのうち6〜8人は校友会から選ばれ、諮問機関「評議員会」のメンバーも全体(120人程度)の約3分の1が校友会から選出される。田中前理事長は理事長職と校友会会長職を兼ね、自身に近い役員を選ばせて専制体制を築いてきたとされ、日大の第三者委員会は3月に公表した報告書でこの兼任を問題視した。

 田中前理事長は2月に東京地裁であった公判で、検察官から日大との今後の関わりを問われ、「大学の発展を願っているだけで、関係は持ちたくありません」と答えていた。

 文部科学省は15日、日大から田中前理事長の立ち入りについて報告を受け、同大に「前理事長と決別できていないとの疑念をもたれる」と口頭で注意したという。【志村一也、遠藤大志】

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