「先生からセクハラ」97件 静岡県教委が小中高生15万人調査

「先生からセクハラ」97件 静岡県教委が小中高生15万人調査
毎日新聞 2022/5/17(火) 7:30配信

 静岡県教育委員会は、公立小中高校生らを対象に実施した2021年度のセクハラ実態調査の結果をまとめた。教職員の言動に関して「セクハラを受けたと感じた」とした回答が97件あった。県教委は再発防止を徹底するため、セクハラを受けたとの回答があった学校を継続的に指導し、改善状況を確認する。回答例に基づいたチェックリストも作り、教職員に日ごろの言動を見つめ直してもらう方針。

 調査は21年11月〜22年3月、政令市を除く公立小中学校と、県立高校・特別支援学校に在籍する小学5年から高校3年までの計15万6306人を対象に実施した。セクハラの意味などを説明したうえで、児童、生徒たちは家庭などで回答を記入。回答書は、担任教諭を介さず、校長ら管理職が回収した。

 セクハラを受けたと感じた97件の学校別の内訳は、中学校が46件で最も多く、小学校27件、高校21件、特別支援学校3件と続いた。

 内容別では、不必要な身体的な接触(55件)と不必要な接近・凝視(12件)で、約7割を占めた。具体的には「ほめられた時、頭をなでられた」「部活の指導中に腕を触られた」「体育館で整列していた時、40秒ぐらい肩に手を置かれた」「あいさつをした時、胸を見られた気がした」などの回答があった。

 この他にも、身体的特徴や性別、容姿などに対する言動として、「身体測定の際、体重を他の児童に聞こえるように言った」「登校時に『太ったね』と言われた子が傷ついた」「特定の児童をちゃん付けで呼ぶ」「男のくせに泣くなと言われて嫌な気持ちになった」などの回答を挙げた。

 県教委の担当者は「寄せられた回答のうち、強制わいせつに該当するなど懲戒処分の対象になる事例はなかった。しかし、古い価値観はもはや通用しない」と指摘した。【山田英之】

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