「謝罪はことあるごとに求めていく」 高3バレー部員自殺問題 懲戒免職の元顧問について遺族/岩手

「謝罪はことあるごとに求めていく」 高3バレー部員自殺問題 懲戒免職の元顧問について遺族/岩手
IBC岩手放送 2022/7/18(月) 19:10配信

 2018年に岩手県立不来方高校バレーボール部の男子部員が自殺した問題で、県教育委員会は17日、再発防止のための会議を開きました。会議には男子部員の遺族も出席し、部員に不適切な言動をしたとして懲戒免職処分となった元顧問の男性に謝罪を求めていく考えを示しました。

 17日に盛岡市で開かれた再発防止「岩手モデル」策定委員会には、県教委の職員や大学教授、弁護士などに加え、元顧問から不適切な言動を受けた元生徒の家族も出席しました。
 この委員会は2018年に県立不来方高校バレーボール部の新谷翼さん(当時17)が自殺した問題を受け発足したものです。新谷さんは元顧問の男性から不適切な言動を受けていて、検証を進めた第三者委員会が「顧問の激しい叱責が自殺につながった」と結論づけたことを受け、「岩手モデル」と呼ばれる再発防止策の策定を進めています。
 会議では県教委が元男性顧問を6月24日付で懲戒免職処分としたことが報告されました。新谷さんの遺族の代理人を務める草場裕之弁護士は、「第三者委員会では元顧問の叱責と新谷さんの自殺の因果関係を認めていたが処分理由には明記されてない。当時の報告から後退しているように受け取れる」と指摘しました。これに対し県教委は第三者員会の報告は受け止めているとしたうえで「懲戒処分の根拠としての法律的な因果関係は判断が難しい。今回は叱責と自死の因果関係に踏み込まずとも懲戒免職処分が相当と判断した」と説明しました。
 亡くなった新谷さんの父・聡さんは懲戒免職処分について一定の評価をした上で、次のように話しました。

(新谷聡さん)
「今回の行政処分についてはいろいろな非違行為が多数あったので懲戒免職処分という説明を受けている。(懲戒の基準が)きっちり示された点は評価できる。(いまだ無い元顧問からの)謝罪ということについては教職員ではなくなったがことあるごとに求めていくべきだと考えている」

 また別の学校で同じ元顧問の男性から不適切な言動を受けた元生徒の家族は、「岩手モデル」の策定について「なぜ事案を防げなかったのか検証作業が正しく行われない限り、真の再発防止にはつながらない」と話しました。

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はじめてこの事件を知った方へ。

時系列で整理しますと。

まずこの男は2008年に盛岡第一高校でパワハラの限りを尽くして、生徒とご両親から訴訟を起こされます。

2008年、岩手県立盛岡第一高のバレーボール部顧問が男子部員に暴言や暴力行為を行ったとして、元部員と両親が県と教諭に約200万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。

2017年、盛岡地裁は教諭の一部の指導を不法行為と認め、県に慰謝料など20万円の支払いを命じた。

訴訟の最中、この教師は何食わぬ顔で不来方高校に転属し、そこでも生徒に対して暴言を繰り返します。
そして2018年7月、暴言に耐え兼ね、バレーボール部の男子生徒が自殺します。

不来方高校で生徒が亡くなっても、この教師は部活の指導を行ってました。

前任校の生徒から告訴され仙台高裁で係争中の男性教諭に部活動の指導を続けさせた県教委について、亡くなった生徒の父親は刑事告訴を検討開始します。

岩手県立盛岡第一高の元生徒と両親が起こした裁判で、仙台高裁は県に20万円の支払いを命じた1審盛岡地裁判決を変更、40万円の支払いを命じました。

裁判の結果が出てやっと「減給1か月」の処分です。

裁判と減給1か月は、盛岡第一高時代についての判決で、こちらの書類送検は不来方高校で生徒を自殺まで追い込んだ暴行についてです。

第三者委員会の調査がやっと終了。結果が待たれます。

ですが、の結果、信じがたいことにとなりました。

生徒自殺の「原因の一つ」にこの教師の指導があると第三者委員会は認めましたが、どう考えてもこの教師が元凶であって「原因の一つ」ではないです。

2020年12月には、盛岡第一高時代に被害にあった生徒の両親と、不来方高校で息子さんを自殺で喪った両親が、この教師の懲戒免職を求めました。

そして今回やっと教師の責任が認められ、懲戒免職処分となりました。

最後までは報じられませんでしたが。

ところで、一つ疑問があります。
なぜ、盛岡南高校と統合させて「不来方高校」を無くすのでしょうか?
しかも、新設時には不来方高校の校舎や施設を活用するという。
だったら名称も「不来方高校」でいいのでは?
もともと「不来方」は盛岡よりも古い地名で、石川啄木も「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」と詠んだ地名です。

生徒の自殺を教師の懲戒免職処分で終わらせて、続けて学校名も変更することで、記録上「不来方高校」の出来事は全て終わったことにさせるという事でなければ良いのですが。

盛岡南と不来方 統合新設高校 名称一般公募 2024年度中に決定へ<岩手県>
岩手めんこいテレビ 2022/6/5(日) 12:17配信

岩手県立の盛岡南高校と不来方高校を統合し新設される高校の名前は、一般公募され、これを基に2024年度中に決定されることになった。
岩手県教育委員会は2021年5月、盛岡南高校と不来方高校を2025年度に統合することを決定。
6月2日は新しい高校の設立に向けた検討委員会が、岩手県矢巾町で開かれた。
この中で学校名について、6月10日から7月20日まで一般公募し、これを基に検討委員会で候補を選定し、2024年度中に最終決定することが確認された。
不来方高校 清川義彦校長
「今の生徒たちや、たくさんのOBにも納得していただけるような魅力ある学校づくりをしたい」
検討委員会では次回の会議を2022年9月に行い、学校の教育目標や学科の種類などについて議論を重ねていくとしている。

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