PTA会費2600万円流用、京都堀川音楽高の元事務長「借金返済に充てた」

PTA会費2600万円流用、京都堀川音楽高の元事務長「借金返済に充てた」
京都新聞 2022/7/26(火) 6:01配信

 日本唯一の音楽科単独の公立高として知られる京都市立京都堀川音楽高(中京区)で、2011〜19年度に当時の事務長(68)が同高PTAの会費約2600万円を私的流用していたことが25日、京都新聞社の取材で分かった。流用したのは高級ピアノなどの楽器を同高に寄贈するための積立金が中心で、市教育委員会の調査に「借金返済や生活費、ギャンブルなどに充てた」と認めているという。

 市教委によると流用額は同高PTAの特別会計から約2380万円、一般会計から約220万円。PTAは19年度の開校10周年記念に向け、最高級のスタインウェイ社製グランドピアノやクラリネット3本を寄贈するための費用を特別会計で積み立てていた。

 事務長は11年度に赴任し同年度に両会計から約1080万円、12年度に450万円、その後も19年度まで毎年100〜280万円を流用した。19年3月に退職後、同高に隣接する市のギャラリーの職員に再雇用された後もPTA会計を管理。密かに、同年10月ごろにほぼ全額を返金していた。寄贈に影響はなかったという。

 京都新聞社は19年12月にこの問題を市教委に取材したが、「そうした事実は聞いていない」と回答。今年6月に京都新聞社が再取材したことから市教委が調査を始め、事務長が流用を認めたため今月下旬にギャラリーを諭旨免職となった。

 市教委は「寄贈費用はPTA会計から支出されていたので問題を見抜けなかった。保護者や子どもたちを裏切る行為となり大変申し訳ない」と謝罪した。

 事務長が1人で両会計の通帳と印鑑を管理していたため長年発覚しなかったとみられる。

 同高は1948年に堀川高音楽課程として設立。2010年に京都堀川音楽高として移転開校した。前身を含めると卒業生には世界的指揮者佐渡裕さんやバイオリニスト葉加瀬太郎さんがいる。

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