PTA会費流用の前事務長に京都市教委「懲戒免職相当」、退職金返還は断念
京都新聞 2022/7/27(水) 19:21配信
京都市立京都堀川音楽高(中京区)の前事務長が、2011〜19年度に高級ピアノ寄贈のための積立金などPTA会費約2600万円を私的流用していた問題で、市教育委員会は27日、「懲戒免職に相当する」との認識を示す一方、前事務長に支払われた退職金2390万円は返還請求できないことを明らかにした。252ある市立学校のPTAを対象に会計管理の実態を調査する方針も示した。
同日の市議会で、稲田新吾教育長が「生徒、保護者の期待と信頼を損ない、ざんきに堪えない。心からおわびする」と陳謝した。
市教委の担当者の説明では、前事務長は京都堀川音楽高を13年度末に定年退職した際に退職金が支払われた。再任用されて14年度から5年間、引き続き同高の事務長を務めた後、同高に隣接する市の堀川御池ギャラリーの職員として雇用されたが、今月、諭旨免職となった。退職金の返還請求は期限の5年間を過ぎているため「できない」とした。
刑事告発については、PTAの意向を確認した上で検討する、と述べるにとどめた。「(流用疑惑について)京都新聞社の取材があった19年度に問題を確認できたのでは」との市議の質問には、「監査もクリアしていたので問題ないと思った」と弁明。「第三者委員会を設置して検証を」との要求も出たが、「経過は把握できており必要性は感じていない」と否定した。
再発防止策として、全PTA対象の調査の他に、通帳と印鑑の管理者を分けたり、監査で通帳の記帳状況を確認したりするなど市PTA連絡協議会と連携してPTAの会計管理を徹底するとした。