男児ら20人に性的暴行など…元ベビーシッターに懲役20年 被害者数など「際立って多い」 同様のわいせつ行為は後を絶たず…
日テレNEWS 2022/8/31(水) 2:06配信
元ベビーシッターの男が男の子20人に性的暴行を加えた罪などに問われた裁判で、東京地裁は30日、「被害者の人数や犯行件数が際立って多い上、犯行態様も悪質」と厳しく指摘し、懲役20年の実刑判決を言い渡しました。ベビーシッターや保育士によるわいせつ行為は、後を絶ちません。
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元ベビーシッターの橋本晃典被告(31)は、男の子20人に対し、強制性交22件、強制わいせつ14件、児童ポルノ禁止法違反20件の罪に問われていました。
橋本被告は、派遣先などで悪質な犯行に及んでいたとされます。今年6月の被告人質問では、「男の子と接している時には、ぬくもりを感じました。母から愛を受けておらず、代わりを探していました。自己肯定感がなかった私に子供は分け隔てなく接してくれ、子供に近づきたいと思い、愛情が暴走しました」と述べていました。
30日、東京地裁が言い渡したのは、懲役20年の実刑判決でした。保護者が安心して子供を預けるはずの立場でありながら、罪に問われた行為はあまりにも悪質なものでした。
橋本被告はこれまでに複数回、逮捕されています。判決では、2015年から約4年間、当時5歳から11歳の男の子合わせて20人に性的暴行やわいせつ行為に及んだなどと認定されました。場所は、ベビーシッターとして訪れた派遣先や、ボランティアとして参加したキャンプ場などだったといいます。また橋本被告は、性的暴行などの様子を動画で撮影し、SDカードや外付けハードディスクに保存していたということです。
検察側は先月1日の論告で、「過去に類を見ない重大悪質事案。常習性は極めて顕著。保護者の信頼を裏切り、幼い子供らを性的欲求の餌食とする犯罪」などと指摘し、懲役25年を求刑していました。一方、橋本被告は「触れたのはスキンシップだったり、かぶれや炎症を確認するためだった」などという趣旨で一部、無罪を主張しました。弁護側は「懲役10年が相当」としていました。
そして、30日に言い渡された懲役20年の実刑判決。量刑の理由について、東京地裁の裁判長は次のように述べました。
裁判長
「保育士の資格を有し、児童養護施設職員やシッター、児童キャンプのボランティアスタッフという立場にあった被告人が、強制性交等22件及び強制わいせつ14件、並びにその様子をスマートフォンで動画撮影して電磁的記録媒体に保存した児童ポルノ製造20件からなる事案である。信頼される立場を利用し、被害者らの性的知識の未熟さに付け込んだ悪質なもの。本件は同種事案の中でも、被害者の人数及び犯行の件数が際立って多い上、犯行態様も悪質」
橋本被告は、判決の読み上げをじっと静かに聞いていました。
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ベビーシッターや保育士によるわいせつ行為は、後を絶ちません。厚生労働省によると、2003年から2020年にかけ、男性61人、女性3人の合わせて64人が、わいせつ行為などを理由に保育士登録の取消処分を受けたといいます。
今回の事件とは別のベビーシッターの男から娘が被害を受けたという母親は、2020年7月に開かれた記者会見で、ついたて越しに次のように訴えていました。
ベビーシッターに娘2人を預け被害に遭った母親
「とても子供思いの保育士さんが多いという印象だったので、性犯罪者がまぎれている可能性に考えが及びませんでした。被害に遭ったのは本当に悲しいことですが、まったく被害に気づけずにいた自分に驚いたのと、(被害に気づかなかったら)娘が思春期になった時に精神的な問題を抱え、その時に初めて娘から打ち明けられたらと思うと、恐ろしい気持ちでいっぱいです」
(8月30日放送『news zero』より)
再逮捕容疑は2019年9月20日と11月7日、東京都足立区内の住宅で未就学の男児の下半身を触るなどし、携帯電話で動画や写真を撮影したとしている。黙秘している。同庁の逮捕は3回目。
再逮捕容疑は昨年6月30日午前1時ごろ、東京都内のキャンプ場のテント内で、キャンプに参加していた小学校中学年の男子児童に性的暴行を加え、その様子をスマートフォンで動画撮影したとしている。
橋本容疑者はベビー・キッズシッターと利用希望者をつなぐアプリに登録し、男児の両親から保育の依頼を受けていた。同庁は複数の子どもが性的な被害を受ける動画などを確認しているといい、橋本容疑者が同様の手口で低年齢の子どもに近づき、こうした行為を繰り返していたとみて調べる。
捜査関係者によると、橋本容疑者は昨年11月14日、東京都中央区のマンションの男児宅で、男児の下半身を触るなどした疑いがある。前日にアプリを通じ、体調が悪い男児の保育を両親から請け負ったという。
小学生の男子児童に性的暴行を加えたとして、神奈川県警宮前署は25日、強制性交の疑いで、東京都練馬区北町の無職、橋本晃典被告(28)=別の強制性交罪で起訴=を再逮捕した。「覚えていません」と容疑を否認している。
再逮捕容疑は令和元年8月7日午前3時15分ごろから約15分間にわたって、川崎市麻生区の宿泊研修施設のトイレ内で、東京都渋谷区の小学2年の男子児童(8)に性的暴行を加えたとしている。
同署によると、男子児童は同施設で2泊3日のサマーキャンプに参加しており、橋本容疑者はキャンプを主催する団体のボランティアスタッフだった。橋本容疑者は、子供の教育を目的とした複数のボランティア団体に所属していた。
同年12月にも、ほかのキャンプに参加した小学5年の男子児童に性的暴行を加えたとして、同容疑で逮捕されていた。同署が押収した橋本容疑者の携帯電話には、児童のわいせつな画像や動画が多数残されていたといい、同署は余罪があるとみている。blockquote>