日大が田中元理事長に損害賠償を求め近く提訴へ 請求額は少なくとも数十億円か
日刊スポーツ 2022/9/13(火) 20:42配信
日本大は、田中英寿元理事長(75)の脱税事件など一連の不祥事で大学に損失が生じたとして、田中氏や元理事に損害賠償を求め、近く東京地裁に提訴する方針を固めた。日大広報部が13日、「本日、決定するという事実はありませんが、現在、損害賠償請求については準備を進めております」と明かした。
前日12日には日大ホームページ上に7月に新任した酒井建夫学長による「学長ブログ」を開設した。「学生のみなさん、はじめまして」と題し、「大学で生じました不祥事では、みなさんに多大なるご迷惑をおかけし、また不快な思いをさせてしまいましたこと、心からお詫びいたします」とあらためて謝罪。再生に向けて「引き続き関係機関と連携しながら、原因を究明し、大学の再生に全力で取り組んでまいります。特に、今後は、学生のみなさんが授業や研究、スポーツをはじめとする課外活動に打ち込んでいただけるよう、ハード・ソフトの両面で環境を整備しながら、快適に過ごせるキャンパスを創り上げます」と発信していた。また、ブログ文の最後には「ご意見・ご感想はこちらから」と専用フォームを設け、学生からの声を吸い上げる姿勢も示した。
請求額は少なくとも数十億円になるとみられる。日大は20年度には国の私学助成金を約90億円受け取っていたが、度重なる不祥事により「ガバナンス(組織統治)が十分機能していない」と認定され、21年度からは交付されていない。関係者によると、日大は、理事長としての監督不足で背任事件を招いた責任があると主張するとみられる。さらに、本人の脱税で大学の信用が低下したとして、田中氏に巨額の賠償を求める。背任罪で起訴された元理事井ノ口忠男被告(65)も訴訟の対象とする方向で調整している。