理科実験中にフラスコから液体が噴出 目や手足の痛み訴え中学生12人が病院へ搬送
ATV青森テレビ 2022/10/5(水) 19:08配信
理科室で何が起きたのか、専門家立ち合いのもと検証です。
三沢市の中学校で理科の実験中に薬品が噴き出し、生徒12人が目や手足などの痛みを訴え病院に運ばれました。なぜ今回の事故が起きたのでしょうか。
事故が起きたのは三沢市立第一中学校です。三沢市教育委員会によりますと3日、1年生の理科の授業で、酸素を発生させる実験で二酸化マンガンと過酸化水素水を混ぜたところ、フラスコから液体が逆流して噴き出したということです。この事故で生徒12人が目や手足などに痛みを訴え病院に運ばれました。全員けがは軽く、すでに回復しているということです。
事故が起きた実験は、1年生の理科の教科書に掲載されていて、学習指導要領で定められた学習内容の1つとなっています。なぜ、今回の事故が起きたのでしょうか。
※狩股記者
「今回の実験では、高濃度の過酸化水素水がそのまま生徒たちに手渡されていたということです」
市の教育委員会によりますと、実験の前に過酸化水素水を薄める作業が必要でしたが、授業を担当した教員は、これを怠ったといいます。以前、勤務していた学校では薄めずに使えるものだったため、希釈の必要性に気付かなかったということです。
30%の濃度の過酸化水素水を二酸化マンガンに垂らすと、たった一滴だけで、フラスコから煙が勢いよくあがる状態となりました。
一方、水で3%の濃度にまで薄めた過酸化水素水では、ブクブクと泡が出始め、酸素が発生しています。
八戸工業大学の小林正樹教授は高濃度の薬品を扱う際には、慎重さが必要だと話します。
※八戸工業大学生命環境科学コース 小林正樹教授
「理科実験はガスが出たり熱が発生したり試薬が飛び散ったり、今回の事故が起こる恐れがありますので、必ず教員の方で予備実験をやっておく必要があると思います」
三沢市教育委員会は、保護者に事故を謝罪し、再発防止の徹底を各校に通知しています。