愛知・2児童自殺「いじめ加害者に指導困難」 遺族要求に市長応じず

愛知・2児童自殺「いじめ加害者に指導困難」 遺族要求に市長応じず
毎日新聞 2023/1/13(金) 9:30配信

 愛知県豊田市で2019年に小学6年の女子児童2人が自殺した問題で、遺族側代理人は12日、遺族が太田稔彦市長と面談し、遺族側が求めているいじめの加害児童への指導について「応じられない」と伝えられたことを明らかにした。

 市教育委員会も22年9月に「現行法上できない」との見解を伝えており、市長が改めて否定した。加害児童は既に高校生の年齢になっており、遺族側は今後、市教委もしくは県教委に加害児童への指導を再び申し入れる予定という。

 遺族側は、外部の弁護士らによる再調査報告書で「いじめと自死との関連性を否定することはできない」とされたことを加害児童に伝え、自覚を促すなどの指導を求め続けている。

 代理人によると、面談は22年12月22日に市庁舎内で約1時間行われ、太田市長は、加害児童が高校に進学した場合は市教委の管轄外になることや、県教委と市教委との連携を義務づける法令上の根拠がないことを理由に「応じられない」と話したという。

 一方で太田市長は、2児童が通っていた小学校で毎年、命の大切さを教える集会を開き、遺族が何らの形で関わることなどを提案したという。遺族側はこの提案を評価しているものの、「いじめの真の再発防止のためには、加害児童がいじめをした事実に向き合うことが必要不可欠」と話しているという。【荒川基従】

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