教師による行き過ぎた言動が「指導死」に 罪を認め心から謝罪してほしい…遺族の思い

教師による行き過ぎた言動が「指導死」に 罪を認め心から謝罪してほしい…遺族の思い
AERA dot. 2023/01/30 08:00

 2019年4月18日夜。教師の指導がきっかけによる「指導死」だった。
 元気いっぱいだった男児の様子が変わったのは、小学6年になり担任の教師が代わってから。その男性教師は複数の児童に対し「バカ」「アホ」といった暴言を繰り返したり、胸ぐらをつかんだりした。男児も直接、叱責(しっせき)や暴言を受けたという。
 教師は教壇に立ち続けていたが、報告書を受け熊本市教育委員会は、外部の有識者でつくる体罰等審議会を開き、男性教師の不適切な指導などを審議した。その結果、同11月になって新たに2件の不適切な行為があったと認定。そして翌12月、が懲戒免職となり、当時の小学校の校長、教頭らが懲戒処分となった。
 を指導死で亡くした、鹿児島市の母親(40代)は、この疑問をずっと胸に抱いている。
「息子がされたのは、決して指導などではありません。言葉による暴力です」
 18年9月3日、2学期の始業式後、三男は夏休みの宿題の一部を忘れたことで担任の女性教師(40代)から、約10分の個別指導を受けた後、帰宅して自宅で自殺した。
 21年6月に遺族に提出された報告書は、10分の個別指導で「普通の生徒であれば萎縮するほどの大声で叱責があった」とし、三男が普段のように考えられなくなる心理的視野狭窄(きょうさく)に陥り、自殺に及んだと結論づけた。
 この教師は報告書などがもとで戒告処分となり、22年9月から現場を離れ半年間の研修を受けているという。だが、
 母親は、この教師が形だけの処分や研修で終えるのではなく、謝罪と反省の気持ちを持ってほしいと言う。
「罪を認め、息子の霊前で心から謝罪してほしい。大人が子どもを殺すという、一般社会でやってはいけないことを学校の先生がやっていいわけがありません」

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