長崎の瓊浦高、さらに3つの運動部で体罰 平手打ちや尻を蹴るなど

長崎の瓊浦高、さらに3つの運動部で体罰 平手打ちや尻を蹴るなど
朝日新聞デジタル 2023/1/31(火) 7:50配信

 男子バドミントン部と野球部の監督による部員への体罰が昨年末に問題になった長崎市の私立瓊浦高校で、学校が2度にわたって全校生徒にアンケートをした結果、新たに三つの運動部の顧問がそれぞれ部員に体罰をしていたことが明らかになった。取材に対して認めた。

 同校は近く、県教育センターから講師を招き、全教職員に体罰防止や指導の研修をする。佐藤一司教頭は「体罰についての認識の甘さが大きな原因。生徒と同じ目線での対話型の指導を徹底したい」と話している。

 同校によると、野球部で昨年11月、顧問を務める男性教諭(56)が、グラウンドで部員の両肩を前から両手で押すなどの体罰をした。同校は県高野連に報告。まだ処分は出ていないが、体罰をしていた教諭を部活動の指導に関わらせていない。

 他の二つの運動部では、それぞれ顧問の男性教諭と男性非常勤講師が、部員のほおを平手打ちしたり、尻を蹴ったりしていた。同校はいずれの事案についても県高体連に報告し、1カ月間、顧問の部活動参加を停止した。県高体連からは、体罰をしていた顧問について、1年間高体連の主催する大会への参加を停止する処分を受けたという。

 アンケートは当初12月に実施したが、「暴言」の問いが明示されなかったことや、教室で実施されたことで、正確な調査ができなかったと判断。1月はアンケート用紙を家に持ち帰らせ、封をした状態で集めるなど秘匿性を確保したうえで調査し直した。(岡田真実)

 長崎市の私立瓊浦(けいほ)高の男子バドミントン部や野球部で監督らによる体罰や暴言があった問題で、19日に学校に体罰アンケートの記載を求められた生徒から「担任に『(加害教職員を)おとしめるようなことは書くな』と言われた」との声や、「体罰についてだけ回答するように言われた」との声が出ていることが関係者への取材で分かった。関係者からは「本当に事実究明や再発防止につながるのか」との懸念が上がっている。
 関係者や学校によると、男子バドミントン部や野球部での体罰などを受け、19日に全校生徒を対象に体罰に関するアンケートを実施。4月以降に体罰を受けたかや時期、場面、場所、内容、負傷内容などを尋ね、体罰以外の不適切行為や暴言について直接尋ねる項目はなかった。
 関係者によると、実施の際に担任が特定の加害教職員の名を挙げて「おとしめるようなことは書くな」との趣旨の発言をしたり、別の担任が「体に直接触れられたことだけを書くように」などと指示をしたりしたという。
 校内では今回のアンケート前から、野球部顧問に無断で寮の部屋に入られたり私物を触られたりするなど、体罰以外の不適切行為や暴言を受けたとの訴えも生徒から上がっている。
 アンケートを巡る指摘について、同校の佐藤一司教頭は取材に「うみを出し切らなければいけないと思い、暴言なども含めて把握するためにアンケートをした。驚いている」と答えた。【樋口岳大】

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