運営資金で高額ギター購入の学校法人、1億円近くの不適切支出…元副理事長に返還請求へ
読売新聞オンライン 2023/3/11(土) 10:16配信
山形、天童両市で認定こども園などを運営する学校法人「清風学園」(山形市伊達城)の元副理事長が、県や両市の補助金が含まれた運営資金で複数の高額ギターを購入していた問題で、不適切な支出が1億円近くに上ることが9日、内部調査を行った同法人への取材でわかった。
同法人によると、不適切な支出は、ギターやピアノの購入費が約2900万円、法人のクレジットカードの利用が約6300万円、車やスクーターの購入費が約450万円で、計約9650万円に上る。このうち、ギターなどの購入費は昨年12月に元副理事長から返金されたという。
同法人は、行政処分を受けた昨年12月から不適切な支出額を精査。返還計画表を作成し、今年2月末に両市に提出した。元副理事長と、発覚時の理事長は既に辞任している。
返還されていない約6750万円について、同法人は今後、弁護士を通じて元副理事長に返還請求を行い、対応次第では支出を認めた当時の理事長にも返金を求める方針だ。
同法人の勝見健一理事長は取材に対し、「速やかにお金を返金してもらいたい。不適切な運営金は返金し、市と協議して、子供たちのために活用できるようにしたい」と話した。
山形市と天童市で認可保育園などを運営する学校法人「清風学園」が、自治体の補助金を含む運営資金から高額なギターを40本近く購入していた問題。山形市の佐藤市長は「法人規定のルール適用や管理運営ができていない」と指摘し、今後、さらに調査を進めた上で、学園に対し、処分なども含め対応していく考えを示しました。
清風学園は、年間およそ4億円の補助金を県や山形市、天童市から受け取っています。
学園は、この補助金を含む運営費から100万円を超える高額なギターなどここ10年ほどで40本近いギターを購入していて総額はおよそ2200万円にのぼるということです。その中には未開封のものもあり、施設で使われていなかった可能性もあります。
これまで山形市や天童市、県が学園への立ち入り調査を行い、高額な物品を購入した際の会計処理を確認したということです。これまで行った調査について問われた山形市の佐藤市長は。
(山形市佐藤市長)
「感じるのはガバナンスの問題。例えば、経理等の手続きが、本来成すべきやり方で成されていない」
市の調査で、清風学園は備品を購入する際に必要な業者から見積書をもらっていなかったことや、購入手続きで理事会の決済を取っていなかったことなど、数々の問題点が発覚したということです。
(山形市佐藤市長)
「引き続き調査を進めた上で、調査の内容に乗っ取った対応をとることになる」
佐藤市長は、県や天童市などと連携しながら調査を進め、結果次第では行政指導や処分などを含め、対応する考えを示しました。
一方、清風学園は、TUYの取材に対し「担当者がいないので答えられない」としています。
山形市の学校法人「清風学園」が運営費で高額なギターを複数購入していた問題で、法人は約300万円のギターも購入していたことが分かりました。今後 高額なギターは、副理事長らで買い取り返金する方針です。
この問題を巡っては、60代男性副理事長が世界的ギタリスト「エリック・クラプトン」の直筆サイン入りで、約100万円のエレキギターや約150万円のクラシックギターなどを、運営費から購入していたことが分かっています。
さらに、5年前にもアコースティックギターを約300万円で購入していたことが明らかになりました。
法人では、国や県・市などから、年間 約4億円の補助金を受け取っています。
一連に関して、法人の秘書は「音楽教育目的で購入し、会計監査も通っていて適切」などと主張していました。
【秘書(副理事長の妻)】
「最初は、子どもたちと発表会のためにと(買った)。指紋がついても…と、この(未開封)状態。ピアノと同じ感覚でいたのが、今思えば間違いだったか」
問題となっている高額なギター3本は、副理事長と理事長で買い取り、返金する方針を明らかにしています。