「顔が不細工だからできない」と監督の暴言 バレー部員からの訴え
朝日新聞デジタル 2023/3/24(金) 16:30配信
「スポーツでの暴力・ハラスメント・体罰、どうなくす?」
そんなテーマで、朝日新聞フォーラム面がネットを通じてアンケートを募ったところ、さまざまな意見のほか、高校生から部活動での暴力的な指導の実態を訴える連絡もあった。
「監督が暴走している状態です。学校側にも止める人がいません。胸ぐらをつかんで殴る、ボールを当てるなど、暴力や暴言でみんな嫌気がさしています」
切実な投稿をしたのは、ある私立高の男子バレーボール部員だ。
連絡先も書いてあったので話を聞いた。
部員の話によると、実情はこうだ。
「死ね」「殺すぞ」
監督はミスの一つ一つを、そんな暴言を交えて責める。至近距離でボールをぶつけるのも日常的だ。「顔が不細工だからできないんじゃないか」と、人格否定的な言葉まで投げるという。
こうした指導に疑問を持つ部員たちが話し合い、「こういうチームにしたい」と集約した意見を出したところ、1人ずつ呼び出され、「越権行為だ」「刃向かうと試合に出られないぞ」と、脅された。
「自分がやってきたことは体罰ではない」「おまえらは勝ちを求められている。勝てるように仕事をしろ」
そんなことも言われる。
部員たちは学校側にも実情を訴えたが、反応が鈍いそうだ。「学校側から注意してもらい、いい方向に進めばいいのですが……」
部活動の本来の目的である生徒の自主性・自発性を殺し、勝利ばかりを目指す指導がなされる。指導者が体罰や暴力が何かを、正しく認識していない。学校側も大会での結果を期待するのか、反暴力に向けて本腰を入れる姿勢をみせない――。暴力的指導がはびこる背景が放置されている。
アンケートは30日午後2時まで実施する予定で、誰でも参加できる。