長野ではエロ処分教員が名字変えて懲戒履歴を隠蔽…“性暴力”根絶の「あぶり出し作戦」どこまで通用する?
日刊ゲンダイDIGITAL 2023/5/26(金) 9:06配信
過去に生徒に対するエロ行為でクビになった男性講師が名字を変え、教員免許を再取得し、何事もなかったかのように他県の中学校の教壇に立っていた。
10年以上前、他県でわいせつ行為による懲戒免職処分を受けながら、任用時の履歴書に虚偽の記載をしたとして、長野県教育委員会は23日、県内の中学校に勤務する40歳代の男性講師を懲戒免職にした。経歴詐称は県教委の処分方針に該当しないが、男性講師が明記しなければならない過去の処分歴を隠したため、虚偽行為と判断した。
男性講師は大学卒業と同時に教員免許を取得。懲戒免職処分で免許を失った後、数年前に別の県で再取得し、教員として勤務していた。昨年4月から長野県の学校に移り、今年3月で任用期間が終了したため、4月から別の学校で任用が決まった。
「再任用時の書類では処分時の名前は把握できませんでしたが、担当者が本人と話をするうちに免許状を取得した時と現在の名字が違い、しかも複数回、名字が変わっていることが分かった。不審に思った担当者が最初に教員免許を取得した際の名字を聞き出し、わいせつ行為で教員免許を失効した元職員の情報が調べられるデータベースで照らし合わせたところ、一致した。本人に確認したら、処分歴があったことを認めた。ただ、過去の氏名が分からなければ検索できず、今回のように名字が変わっていると、戸籍まで提出してもらうわけにもいかず、すべてを把握するのはなかなか難しい」(県教育委員会教育政策課)
県教委の聞き取りに対し、男性講師は「10年以上前の処分で教員免許も再取得したので、書く必要はないと思った」と話しているという。
■最近までは3年待てば教員免許を再取得できた
これまで懲戒処分を受けた教員が他県に移り、再びわいせつ事件を起こす事例が後を絶たなかったことから、2021年、「教職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立。翌年の施行後から教員免許を失うと、再取得するためには再授与審査会の承認が必要となり、ハードルが高くなった。だが、それまでは今回の男性講師のように、わいせつ事件を起こして教員免許を失ったとしても、刑に処されなかった場合、処分から3年経てば再取得できた。男性講師は再取得後、しばらく教育現場から離れていたが、数年前に「現場復帰」した。
文科省教育人材政策課の担当者がこう言う。
「教員免許を持っていても、過去に性暴力などで免許を取り上げられた教員に関しては、データベースで調べられるようになり、担当者は採用時に検索する義務が課せられました。国公立、私立を問わずです。氏名の変更は当然想定していたので、その場合も対応できる仕組みになっています。教職課程を修了し、最初に免許を取得した大学卒業時までさかのぼって氏名を確認するよう各都道府県に指示しています。仮に本人が求めに応じなかったら、怪しいと判断できます。処分歴がある教員が、二度と教壇に立つことがないようにしていかなければなりません」
「エロ教師あぶり出し作戦」が絵に描いた餅に終わらなければいいが。
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教員免許(教育職員免許状)は運転免許などと違って、発行元が各都道府県の教育委員会なんですよね。
だから一元管理ができない。
埼玉でわいせつ事件起こして逮捕された「大田知宏」は「大田智広」と名前を変えて愛知県に移り住み教員になり、再度わいせつ事件を起こして逮捕された。
「古畑正仁」に至っては、福岡→山口→大阪→埼玉→福岡→宮崎と移り住み、名前も「古畑正仁」→「近藤正仁」→「橋本正仁」と変えている。
教員免許を国の一元管理に変更しない限り、問題は解決しないだろう。