中国企業に先端技術情報を漏えいした疑い、産総研の中国籍研究員を逮捕
読売新聞オンライン 2023/6/15(木) 17:30配信
国立研究開発法人「産業技術総合研究所」(茨城県つくば市)で自身の研究内容を中国企業に漏えいしたとして、警視庁公安部は15日、中国籍で産総研主任研究員の権恒道(チュエンホンダオ)容疑者(59)(茨城県つくば市)を不正競争防止法違反(営業秘密の開示)容疑で逮捕した。国の研究機関から中国への情報漏出が立件されるのは極めて異例。
発表によると、権容疑者は2018年4月13日、自身が研究している「フッ素化合物」に関する情報を中国企業にメールで送り、産総研の営業秘密を漏えいした疑い。
漏えいされた情報は、フッ素化合物の合成に関わる先端技術。地球温暖化対策に向け、環境負荷が低いガスの製造につながる可能性があるという。
男は02年4月から産総研の研究員として勤務。一方で、中国軍とつながりが深いとされる「国防7校」の一つである北京理工大学の教職を兼任していた時期もあるという。
公安部は今後、男と流出先の中国企業との関係や、流出の経緯について捜査を進める。