成績表35人分が外部に流出、中学教諭を懲戒免職「同僚教諭をおとしめたかった」
読売新聞オンライン 2023/6/16(金) 13:27配信
札幌市立中学校の男性教諭が、生徒35人分の成績表などを故意に外部流出させていた問題で、市教育委員会は15日、市立中の男性教諭(54)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。今後、在校生の保護者会を開き、当該生徒らには謝罪の手紙を送るという。
市教委によると、男性教諭は昨年5〜10月頃、同僚の教諭が担任を務めていたクラスの生徒の成績表や、生徒の容姿などを記した虚偽の文書を、匿名で外部に流出させた。
また、顧問だったパソコン部の活動費でパソコン用のモバイルバッテリーや卓上用のLED照明を購入し、私的に使用していた。
こうした行為は、「学校職員の懲戒処分に関する指針」の「秘密漏えい」「個人情報の不当利用」「横領」に当たると判断。懲戒処分で最も重い免職にした。地方公務員法(守秘義務)違反にもあたるとして、道警に相談している。
男性教諭は、市教委の聞き取りに対し「同僚教諭を妬み、おとしめるためにやった」などと説明した。
関係者によると、「知人のお子さんが担任の先生から渡された封筒の中にUSBが入っていたそうです」「この担任は、保護者の中で問題があると話題になっている」など、同僚の教諭が流出させたように見せかけた文言も添えられていた。
昨年6月頃、市教委に情報提供があり調査を進めていたところ、男性教諭が情報流出を認めた。他の情報漏えいなどは確認されていない。
檜田英樹・市教育長は15日、「教育行政に対する信頼を著しく損なったことに深くおわび申し上げる」などとするコメントを出した。
札幌市教育委員会によると、免職や減給などの懲戒処分を受けた市立小中学校と高校の教職員の件数は、2014年度以降今年度(5月15日時点)まで、計103件になる。内訳は免職が23件、停職が12件、減給が39件、戒告が29件。
処分の理由は、体罰が28件、わいせつが15件、ハラスメントが1件、その他の服務が21件、交通事故が37件。また、部下の違法行為の黙認などの「監督責任」が1件だった。