児童ポルノ被害13人認定、昼寝中にわいせつ行為も 元保育士に実刑
朝日新聞デジタル 2023/10/3(火) 20:05配信
勤務先の保育園で昼寝中の児童らにわいせつな行為をし、その様子を撮影したなどとして、強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪に問われた元保育士福島一輝被告(30)の判決が3日、名古屋地裁であった。遠藤圭一郎裁判官は被害児童は計13人と認定し、懲役4年6カ月の判決(求刑懲役6年)を言い渡した。
遠藤裁判官は「児童らは安心して日々を過ごせるはずの保育園で被害に遭った」と指摘。その上で、「児童らの尊厳を顧みない身勝手かつ悪質な犯行で、厳しい非難を免れない」と断じた。
判決によると、被告は2020〜22年、当時勤務していた保育園で昼寝中だった5歳の児童2人の下半身を触るなどしつつ、動画を撮影。さらに6歳の児童のわいせつな動画も撮った。このほか、同様の動画や画像を同じ性的嗜好(しこう)を持つ3人に提供した。
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園児のわいせつ画像を知人に送った元保育士、以前も盗撮で解雇…公判で「褒め合える」「解放感」と語る
読売新聞オンライン 2023/10/4(水) 11:08配信
勤務先の保育園の園児にわいせつな行為をして画像を知人に送ったとして、強制わいせつ罪と児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われた大分市の元保育士の被告(30)に対し、名古屋地裁(遠藤圭一郎裁判官)は3日、懲役4年6月(求刑・懲役6年)の判決を言い渡した。法廷では、ネットで知り合った仲間らとわいせつな画像を送り合い、盗撮にのめり込んでいく被告の心理が明らかになった。(反保真優)
「寝付きよい子」選ぶ
判決によると、被告は2021年1〜2月、大分県内の保育園で昼寝中の女児(当時5歳)ら2人にわいせつな行為をし、その様子をスマートフォンで撮影。同年5月〜23年1月には、SNSを通じて複数回、計13人の児童の画像を知人に提供するなどした。
被害園児2人にわいせつな行為をした理由について、被告は「寝付きがよかったので起きないと思った」と説明した。遠藤裁判官は「保育士として責任を持って保護すべき園児を性欲のはけ口にしており、卑劣だ」と指摘した。
ネットでやりとり
法廷では、被告はこの事件以前に勤務していた別の保育園で、盗撮をしたとして解雇されていたことが明らかにされた。
解雇後、インターネットの掲示板で知り合った他県の男らと小児のわいせつ画像を送り合うようになり、解雇から約1年後、今回の事件を起こした保育園に移ってネット上でのやりとりを続けた。
被告は「互いに画像を褒め合っており、相手を喜ばせようと思った」と、画像とともに被害児童の名前や年齢、撮影時の状況などを送っていたことも明らかにし、「外にはさらけ出せない一面を受け入れてくれ、解放感があった」などと述べた。
日本版DBS
保育士として職場で性犯罪を繰り返した被告。法廷では「二度と子どもに関わる仕事はしません」と述べた。
児童ポルノ事件の摘発件数はこの10年で倍近く増加。被害児童数も年約1500人に上っており、国も教育現場などでの子どもの性被害を防ごうと、子どもと接する職場で働く人に性犯罪歴がないことを確認する新たな仕組み「日本版DBS」の導入を目指している。DBSとは、求職者に無犯罪証明書を発行する英国の制度「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス」の略称だ。
子どもへの性暴力問題に詳しい千葉大の後藤弘子教授は「日本版DBSに加え、子どもと接する職場では、職員についての情報を前の職場と共有したり、性加害を防ぐための研修を取り入れたりするなどの方策も不可欠だ」と指摘している。