四谷大塚“教え子盗撮” 「ターゲット」名指し、動画を共有……元講師2人の“共謀”手口 個人情報を投稿、別の女児も盗撮か
日テレNEWS 2023/10/4(水) 10:39配信
元講師2人の逮捕に発展した、「四谷大塚」の盗撮事件。2人は同じ校舎に勤務して意気投合し、事前に提案したり動画を共有したりして共謀した上で、計画的に犯行に及んだとみられます。1人は個人情報をグループチャットに投稿した疑いも持たれています。
■何度も盗撮か…森容疑者の逮捕は3回目
大手中学受験塾「四谷大塚」で繰り返し行われていたとみられる盗撮事件。性的撮影処罰法違反の疑いで逮捕されたのは、ともに元講師の中村成美容疑者(26)と森崇翔容疑者(24)でした。
警視庁によると、2人は当時同じ校舎に勤務。今年8月、教え子だった7歳の女子児童の下着を盗撮した疑いが持たれています。森容疑者に関しては、これ以前に既に2回逮捕されていて、今回の逮捕が3回目です。
森容疑者は「以前から盗撮してみたいと思っていたので決意した」、中村容疑者は「森容疑者が以前から盗撮していたと知っていたので授業に呼び入れた」とそれぞれ供述しているとみられます。
校舎内で当時行われていたとみられるのが、2人の計画的な盗撮です。警視庁によると今年6月、森容疑者に中村容疑者が「盗撮の趣味」を打ち明け、意気投合。次はどの生徒を盗撮するかという話で盛り上がったといいます。
■花をデッサンする授業で…2人の手口
そして2か月後の夏期講習。花をデッサンする授業中に事件は起きました。初めは中村容疑者が、7歳の女子児童と1対1で授業を行っていましたが、昼食の時間になると、あうんの呼吸で森容疑者とスムーズに入れ替わりました。
森容疑者は「中村先生から(事件前に)『お願いします。楽しみにしています』とSNSで言われた」「(事件当日は)『昼食を取る時だけ入れ替わってほしい』と頼まれた」と話しているといいます。
森容疑者は「色んな角度から花を見てごらん」と話して児童をイスの上に立たせ、後ろからスカートの中にスマホを差し入れて下着を盗撮したとみられています。
■事件5日前に中村容疑者に「提案」
「なかなかかわいいですよ。撮りたいですね」。捜査関係者への取材で、事件の5日前に森容疑者は既にこの児童にターゲットを定め、名指しして中村容疑者に提案していたことが明らかになりました。
さらにその数日前には、森容疑者が同様の手口で8歳の別の女子児童の下着を盗撮し、その動画を中村容疑者に共有していたことも新たに分かりました。
2日、日本テレビの取材に応じた中村容疑者の父親は「被害に遭われたお子さま、あるいはその保護者の方、もし許されるのであれば、私自身も土下座してでも謝りたい気持ちでいっぱいです」と語りました。
■情報管理が不十分…四谷大塚も書類送検
また森容疑者は盗撮だけでなく、塾が管理するデータベースにアクセスし、複数の女子児童の名前や住所などを入手。最大15人ほどのグループチャットに投稿した疑いも持たれていて、個人情報保護法違反の疑いで警視庁に書類送検されました。
「(グループに)女子児童をよりリアルに感じてもらい、妄想コメントが欲しかった」と供述しているとみられます。
法人としての四谷大塚も、情報管理が不十分だったとして、併せて書類送検されました。
四谷大塚は日本テレビの取材に「今回新たに別の元講師が逮捕されました。決してあってはならないことであり、大変重く受け止めております。まずは再発防止に全力で取り組んでまいります」とコメントしています。
■保護者の思いは…「説明あるのか不安」
四谷大塚に子供を通わせている保護者に3日夜、話を聞きました。
――四谷大塚側からの連絡と再発防止策は?
保護者
「メールで謝罪が来て。カメラをつけます、これからやりますっていう。(再発防止策として事件後から)スマホは(教室に)持ち込み禁止に、ドアを開けたままにしたりとかはしているみたいです」
ただ、塾側からメール以外の説明は1度もないといいます。この保護者は「また1人逮捕されたじゃないですか。説明とかあるのか、不安に思っているところです」と漏らしました。取材した3日夜の時点でまだ連絡はないといいます。
■できる対策は? 「我慢する必要ない」
塾に通う側ができる対策について、性被害に詳しいNPO法人レイプクライシスセンターTSUBOMIの望月晶子弁護士に聞きました。
望月弁護士
「プライベートゾーンの胸・おまた・お尻。(見せてほしいと言われた)相手が学校の先生だろうと塾の先生だろうと、我慢する必要はない。子供がその被害に遭った時に『自分がされたことは、嫌と言っていいんだ』と分かるので、常日頃そういうことを話してあげることが大切です」
(10月3日『news zero』より)