東京・芝学園の元部活顧問、部員に自己啓発セミナーへの参加強要

東京・芝学園の元部活顧問、部員に自己啓発セミナーへの参加強要
毎日新聞 2023/11/24(金) 15:08配信

 私立の中高一貫校「芝中学・芝高等学校」(東京都港区)の部活動で、元顧問が部員に対し、自らが運営に関わる有料の自己啓発セミナーへの参加を強要していたことが分かった。同校の調査委員会はこうした行為がハラスメントに当たり、不適切だと認定した。

 同校は毎日新聞の取材に「静かに見守ってほしい」としている。24日夜、全校生徒の保護者を対象に説明会を開く。

 同校は1906年設立の男子校で、学校法人「芝学園」が運営。問題が起きたのは、低燃費車や船などを製作する部活動「技術工作部」で、50年以上の歴史がある。

 毎日新聞が入手した調査報告書によると、元顧問は2021年以降、複数の部員や保護者に、元顧問がファシリテーター(進行役)を務めるセミナーを受講するよう要請。受講料は8500円程度で、複数の部員や保護者が参加した。

 一方、受講を拒んだ部員には「能動的に動かない人とはクラブやらない」「僕の提案を聞かない人たちと一生懸命やる必要ない」などと発言したという。

 元顧問は調査委の聞き取りに応じていない。

 運営団体のホームページによると、セミナーは米国流のコーチング理論を通じて、脳と心の働きを学ぶ内容。報告書では、元顧問の言動が「受講しなければ部内で差別されたり、部活動を縮小されたりするなどの不利益を示唆しており、脅迫とも取れる」と指摘。ハラスメントに当たると認定した。

 この部活動を巡っては、元顧問が立て替えた費用を部の会計報告書に「借入金」として約170万円計上していたことが毎日新聞の報道で発覚。元顧問が当時の部員に対し、OBから資金を回収するよう求めていたことも判明し、学校側が詳しい調査を進めていた。【寺田剛】

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