札幌・中1いじめ自殺 報告「黒塗り」見直しへ 市長、市教委に指示

札幌・中1いじめ自殺 報告「黒塗り」見直しへ 市長、市教委に指示
毎日新聞 2023/12/27(水) 9:06配信

 札幌市の女子中学1年生(当時12歳)が2021年にいじめを理由に自殺した問題で、秋元克広市長は26日、遺族が公表を希望した部分も黒塗りにしていた「重大事態調査報告書」について、「市教育委員会の報告と遺族の意向に食い違いがある」などとして、黒塗り部分を見直すよう市教委に指示したことを明らかにした。

 秋元市長はまた、学校全体でいじめに対応する仕組みと小中学校の連携体制を構築するほか、担当教職員の処分も調査・検討するよう指示。さらに、檜田英樹教育長が遺族へ謝罪したのが報告書公表の3日前だったことから「遺族に不快な思いをさせ、不信感を増大させた」として、檜田教育長に反省を促し、再発防止に向けて取り組むよう指示した。

 市教委はこの日、学校長らを集めた緊急集会を開き、いじめ自殺の概要と再発防止策を説明。終了後、取材に応じた檜田教育長は「ご遺族に寄り添った報告書にすべきだったと反省している。謝罪も12月になり、ご遺族に『今ごろになって』という思いをさせ、大変申し訳なく思う」と謝罪し、遺族の意向を確認して黒塗り部分を見直す考えを示した。

 遺族は黒塗り部分について「もっと外して開示してほしいと再三伝えたが、『個人が特定される可能性がある』と拒否された」と市教委の対応を批判していた。【高山純二】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする