女子生徒を竹刀で強打、体当たりで押し倒す…福岡の高1女子を自殺まで追い詰めた“暴力顧問”の異様な指導「貴様、やる気あんのか?」
文春オンライン 2024/1/13(土) 9:12配信
2020年8月、福岡県にある私立博多高校の1年生だった女子生徒、侑夏さん(ゆうな、姓は非公表)が自殺した。剣道部に所属する15歳だった。侑夏さんの母親は昨年末、日体大での「学校・部活動における重大事件・事故から学ぶ研修会」で、大学生らを前に「剣道の指導者として不適切な指導をすべきではない。剣道の理念である人間関係をもとに指導してほしい」などと話をした。
侑夏さんの母親:
本当に優しくて良い子だったんですよ。剣道と一緒に育ったような子なので…。悪いのは剣道じゃなくて、博多高校の部活の場が悪い
剣道では“ありえない”あざのでき方も
2020年8月。福岡市東区にある博多高校の1年生だった侑夏さんを死に追いやったのは、剣道部の顧問2人による指導という名の「暴言」や「暴力」だった。
中学時代に地区大会で何度も優秀な成績を残し、特待生として博多高校に入学した侑夏さん。男性顧問は侑夏さんに「貴様やる気あんのか!」、「特待生としての責任がある!」と執拗に暴言を浴びせ、竹刀で何度も「突き」をしたり、体当たりをしたりしていたという。
部の練習は新型コロナウイルスの影響で6月から始まり、3キロのランニング後、素振り1840回、前後に動きながらの跳躍素振り800回などを1時間以内でする内容だった。過酷な練習で侑夏さんは右腕と左足首を痛め、練習についていくのが難しくなった。
これに対し、別の顧問の男性教諭は侑夏さんに「貴様やる気あるのか」などと暴言を吐くようになった。他にも、必要以上に竹刀で突く▽部員の前で突き倒して転倒させる▽「この野郎」などと怒鳴り声や罵声を30分以上浴びせる――などを続けた。侑夏さんは、男性教諭に足を踏まれて小指の爪がはがれ、両手首には暴行によるものとみられるアザができていた。
8月29日、侑夏さんは「死ぬために部活休んだ」と自身のツイッターに投稿した後、自ら命を絶った。