「日大のドン」田中英寿さんが死去…元学生横綱、「危険タックル」説明せず批判

「日大のドン」田中英寿さんが死去…元学生横綱、「危険タックル」説明せず批判
読売新聞オンライン 2024/1/13(土) 23:00配信

 日本大学の元理事長で、2022年に脱税事件で有罪判決を受けた田中英寿(たなか・ひでとし)氏が13日、東京都内の病院で死去した。77歳だった。関係者によると、がんで闘病中だった。

 田中氏は青森県出身。日大在学中に相撲部で学生横綱となり、卒業後は日大に就職した。相撲部監督として有力力士を次々と輩出した。08年には理事長に選出され、5期13年にわたり学内で強い影響力を持ち続けたことから、「日大のドン」と呼ばれた。16年にスポーツ科学部と危機管理学部を新設。学外では、日本オリンピック委員会(JOC)副会長や日本相撲連盟副会長を歴任した。

 一方で、18年に起きたアメリカンフットボール部選手による危険タックル問題では、説明責任を果たさず、問題の背景となった監督の独裁体制を放置したと批判された。21年11月、日大の取引業者らから受け取ったリベートなどを税務申告せず、計約5300万円を脱税したとして所得税法違反容疑で逮捕された。翌12月に理事長を辞任。22年4月に懲役1年、執行猶予3年、罰金1300万円の有罪判決が確定した。事件後、日大は田中氏との決別と組織刷新を宣言した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする