中学教員が不適切指導か 元生徒が体調崩し自殺未遂 滋賀・守山

中学教員が不適切指導か 元生徒が体調崩し自殺未遂 滋賀・守山
毎日新聞 2024/2/29(木) 20:25配信

 滋賀県守山市教委は29日、市立中学校に在籍していた元生徒が教員から不適切な指導を受けたとして体調を崩し、自殺未遂していたことを明らかにした。教員は元生徒に謝罪したが、当時のやり取りに認識の違いがあるとして元生徒側は謝罪を受け入れていないという。

 市教委によると、2019年7月、男性教員2人が、当時1年だった元生徒が別の生徒にいじめ行為をしていると誤認し、強い言葉で指導した。更に20年6月、元生徒を含む複数の生徒が課題プリントの提出を忘れたことを男性教員のうちの1人が叱責。しかし元生徒は配布時に欠席していてプリントを受け取っていなかった。

 その後、元生徒は体調を崩し、21年3月に保護者と学校の間で、元生徒と2人が校内で接触しないようするなどの措置を約束。しかしその後、校内で男性教員の声を聞くなどした結果、元生徒は同5月に自殺を図り、現在も体調不良が続いているという。

 2人は元生徒の卒業後の23年2月、不適切な指導を認めて元生徒に直接謝罪した。しかし19年の指導で「『最低な人間だ』と言わされた」という元生徒の訴えの一部は否定。元生徒側は謝罪を受け入れていない。

 記者会見した同市の向坂正佳教育長は「行き過ぎた指導によって、大切な中学校生活に苦しい思いがあることは大変残念。深くおわびする。子供たちがつらい思いをしないよう、教員の資質向上を求めていく」と謝罪した。【礒野健一】

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