仙台・母子心中 遺族提出の手紙を廃棄か 市教委「存在を知らなかった」
河北新報 2024/3/8(金) 9:12配信
仙台市泉区の寺岡小2年女子児童へのいじめを苦に母親が児童と心中したとみられる事件で、市教委は6日、遺族が第三者機関の市いじめ問題専門委員会に提出した母親に関する手紙を廃棄した可能性が高いと明らかにした。手紙は委員らの意見交換の場で扱われた「公文書」としつつ、担当者が同席しなかったため、福田洋之教育長は「(存在は)知り得なかった」と釈明した。
同日の市議会2月定例会予算等審査特別委員会で、伊藤優太氏(市民の会)の質問に答えた。市教委によると、手紙は母親の友人が母親について記し、専門委が調査資料に採用した。専門委の資料は個人情報が含まれるとして委員から回収した担当者が、手紙の存在を確認せずに処分したという。
「公文書の誤廃棄だ」との指摘に対し、松川真也学校教育部長は「存在が分かっていて意図的に捨てたわけではない。存在を知らないのだから(廃棄したとしても)誤りではない」と説明し、管理は適切だったとの認識を示した。
遺族がいじめ防止対策推進法に基づく再調査を郡和子市長に求めていることに関し、郡市長は「専門委の答申に影響を及ぼす内容は(現時点では)ない。再調査は必要ないとの考えに変わりはない」と、従来と同じ答弁を繰り返した。
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