「男子バレー部でいじめ」当時の部員6人らを提訴 岡山東商高、卒業生が岡山地裁に

【独自】「男子バレー部でいじめ」当時の部員6人らを提訴 岡山東商高、卒業生が岡山地裁に
山陽新聞デジタル 2024/3/29(金) 5:10配信

 岡山東商業高(岡山市中区東山)を今春卒業した男性(18)が28日、所属していた男子バレーボール部で、ボールを繰り返しぶつけられるなどのいじめを日常的に受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)によるうつ状態になったとして、当時の部員6人とその保護者に計550万円の損害賠償を求め、岡山地裁に提訴した。

 訴状によると、いじめは男性が1年生だった2021年夏ごろから部内で始まり、不登校になる23年秋まで2年余り続いた。男性は当時の部員6人から、突然顔を殴られたり、脚を蹴られたりした▽「きもい、うざい」と言われ続けた▽頭を丸刈りにするよう要求された▽位置情報を調べるアプリで居場所を監視された―などとしている。

 岡山県教委と学校側は保護者の訴えでいじめを把握。いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と捉え、22年4月に被告側の1人に5日間の謹慎処分を科したほか、部を23年8月に10日間の活動停止処分とした。しかし、いじめは止まらず、男性は同9月から不登校になり、医療機関でうつ状態と診断されたという。

 岡山東商業高男子バレーボール部は創部100年以上を誇り、県内では強豪として知られる。これまでに国体で3度の準優勝、全国高校総体で2度の4強入りを果たし、全日本高校選手権は22年を含めて34回出場している。

 男性の親族は取材に「本人はひどく傷つき、自死まで考え、高校生活を台無しにされた。到底許せない」とし、県教委は「学校と連携して対応し、本人の状態も改善傾向と認識していただけに驚いている」、学校側は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする